2012年08月17日

そもそも臨床研究中核病院とは?

今週は「臨床研究中核病院」について見ていきましょう。

ところで、そもそも臨床研究中核病院とは?

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厚生労働省のページ

「平成24年度臨床研究中核病院整備事業の公募結果について」


国際水準の質の高い臨床研究や難病等の医師主導治験を推進し、日本発の革新的な医薬品・医療機器を創出するためには、複数病院からなる大規模なネットワークの中核となり、臨床研究の拠点となる機関が必要です。

厚生労働省ではこのたび、この課題に対応するため、臨床研究中核病院整備事業の対象として、次の5機関を選定しましたので公表いたします。

●北海道大学病院
●千葉大学医学部附属病院
●名古屋大学医学部附属病院
●京都大学医学部附属病院
●九州大学病院


1.事業概要

●日本発の革新的な医薬品・医療機器の創出等を目的に、国際水準の臨床研究、難病等の医師主導治験及び市販後臨床研究等(以下「国際水準の臨床研究等」)の中心的役割を担う「臨床研究中核病院」を整備する事業。

●選定された機関は、以下の基盤構築を行う。

・自ら国際水準の臨床研究等を企画・立案し実施するとともに、他の医療機関が実施する臨床研究を支援できる体制
・倫理性、科学性、安全性、信頼性の観点から適切かつ透明性の高い倫理審査ができる体制
・関係者への教育、国民・患者への普及啓発、広報体制  等

●各機関から提出される整備計画に基づき、1機関当たり5億円程度を上限として基盤整備に必要な事業費を補助する。
●整備事業と連動して、国際水準の臨床研究等を行うための研究費を補助する。
●補助期間は平成24年度からの5年間を予定。


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臨床研究中核病院整備事業および日本主導型グローバル臨床研究体制整備事業における各整備対象機関の整備目標について標記について、当該機関の整備に関する目標を公表いたします。

「厚生労働省の治験のサイト」

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さて、その病院ですが、次の5施設です。

「北海道大学病院」

「千葉大学病院」

「名古屋大学病院」

「京都大学病院」

「九州大学病院」


さらに、ついでに「日本主導型グローバル臨床研究拠点」という施設も剪定されています。

「北里研究所・大学病院」

「先端医療振興財団」


さて、まず、最初は本質的なことではないのですが、それぞれのパワーポイントの資料を並べて読むと気づくことがあります。

それは「キーワード」です。

たとえば「●●から世界へ」というもの。

「北海道から世界へ」とか「名古屋・中部から新しい医療を世界へ」とか「京都から世界へ」等ですね。

さらに「出口戦略」「出口を見据えた」というもの。

「出口」って何でしょう?

多分、思うに、「結果を重視した・見据えた戦略」というようなことでしょうか。

何も考えずに「シーズありき」ではなく、「これはどのように開発していくのか、そのシーズを結局、何に繋げるのかを初めからきちんと考えてやりましょうね」というあたりなのかな。

パワポの資料だけでは何とも読み取れないですが。


さらに「ICH-GCP準拠」も臨床研究中核病院の共通したキーワードになっています。

なんか、今さら? という感じですが、もちろん、今からでも遅くはないので、是非、ICH-GCP準拠の臨床研究を実施して頂きたいものです。

もちろん、ICH-GCPに準拠することで臨床研究のデータの信頼性や科学的な質が向上する、海外の申請に耐えうるデータが集まるという効果が一番なのですが、それともうひとつ重要な効果として期待できるのは、医師(病院)が実施する臨床研究をICH−GCPに準拠して実施して頂くことで「企業主導治験」に対する理解も深まっていき、今後の治験がスムーズに進行してもらえるのではないか、というものがありますね。

「モニタリング」とか「監査」とか「ALCOA」とか、普段、何故、企業は色々とうるさいことを言ってくるのか、それを身を持って経験してもらえるわけです。

あるいは逆に企業がうるさいことを言ってきたときに「あれ?そんなことGCPで言っている?それは過剰でしょ!」と言えるようになります。

さらにさらに、これから「医師(病院・大学)主導で国際共同治験」を実施して頂けると、日本の臨床研究も本当に世界レベルになると思います。

企業主導の国際共同治験に「いち施設、いち治験責任医師」として参加したぐらいでは、本当の国際共同治験の難しさなんて分かりません。

ここは、やっぱり、医師(病院・大学)自らが世界各国の臨床医をマネジメントしてリードして頂くことで、新薬の世界同時開発を体験して頂きたいものです。

なんか、上から目線ですが(いつものこと)。


ほかにも共通したキーワードは「シーズを見出し、育てる」「人材育成」「病院長をまきこんで、病院を一体化して」「AROの強化」というあたりがあります。

まぁ、どうでもいいのですが、このように複数の病院が出してきた資料なのに、多くのキーワードや発想が重なっているのは何故でしょう?というのも考えてみると面白いかも。

企業の場合ですと、一大プロジェクトを発足するにあたり、「ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)」のようなコンサルタントファームを使うことがあります。

すると、発表用のパワポの雛型をコンサルタント会社が用意し(その時に、ある程度のキーワードが既に記載されている)、そこに自分たちのメッセージを記載していく、という手法をとります。

今回の臨床研究中核病院の資料も、ある程度、誰か(厚生労働省とか、コンサルタントファームとか)が用意し、そこに個別の病院の担当者が情報を追加していったのかな、という気がします。(本当に、どうでもいい話で、すいません)



では、今日は北海道大学病院を見ていきましょう。

臨床研究中核病院としての北海道大学病院は、次の5つを目標を定めています。(5ヶ年計画)

●病院長の責任下での体制の確立

●出口を見据えた臨床研究体制の整備

●ICH-GCPに準拠した臨床研究の実施

●多施設共同研究体制の整備

●国民の理解に基づく臨床研究の実施

うん、いいですね。

ちなみに、中核病院のスライドを見て思ったのですが、どこも「組織・体制」がえらく込み入っていて、これは相当、リーダーシップを強く発揮して、マネジメント能力にも長けた人がいないと、とっても大変だなと思いました。

ちょっと見、こんな組織体制が本当にできるの?といらぬおせっかいなのですが、予算をしっかりと獲得して、優秀な人材を集めてくださいね。


さて、北大病院の特徴ですが、それは「陽子線治療装置の開発」です。

これは「がん」の「サイズ」「体内の動き」「放射線感受性」に合わせたテーラーメイドの放射線治療を実現することを目指したものです。

最近はこのような「陽子線」や「重粒子線」を使った「がん」の治療が盛んに研究されていますね。

私どもの会社(リアルに僕が働いている会社)でも(と急にセールスマントーク)、鹿児島の指宿に「重粒子線治療」の施設を持っています。
   ↓
「メディポリス医学研究財団」

ちなみに「粒子線治療を受けられる病院(施設)は全国で8箇所です」
   ↓
「粒子線治療を受けられる病院」



北大病院に戻りますが、北大病院ののターゲットですは、「難治性神経疾患の治療法開発」と「心不全治療のあらたなエビデンス創出」があります。

是非、期待しましょう!

特に「難治性神経疾患」については是非、頑張ってほしいものです。




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2012年08月10日

患者は治験に参加する「権利」はあるか?(5)

さて、今週は、実は「GCPの解説・GCP入門」というテーマで書き始めたのですが、そこから大きく脱線し(でも、実は治験の本質に関わるかもしれない)、難病や希少疾患についての、僕の勝手な言い分を書くことにしました。

僕の勝手な言い分のまとめ。

●(勝手な言い分、その1)「難病」「希少疾患(オーファンドラッグ)」に対する治験の時は、プロトコルの「選択基準」「除外基準」を緩和して欲しい。

●(勝手な言い分、その2)「難病」「希少疾患(オーファンドラッグ)」に対する治験は必ずダブルブラインドとは別に「長期投与試験」を実施し、そちらのプロトコルは治験参加の「クライテリア」を大幅に緩和する。

●(勝手な言い分、その3)患者とその家族から治験参加の希望があったら、それを最優先に考えてもらいたい。

●(勝手な言い分、その4)医師はその疾患の治験等の最先端の(そうとは限らない場合も含めて)治療の選択肢を患者に伝えて欲しい。


でも、本当に、まだ治験薬がある疾患はいいんですよね。


国の難病対策は下記のようです。
  ↓
http://www.nanbyou.or.jp/entry/1360
  ↓
***************

我が国の難病対策では、症例数が少なく、原因不明で、治療方法が確立しておらず、生活面への長期にわたる支障がある疾患については・・・・

(1)調査研究 の推進(難治性疾患克服研究事業:対象は臨床調査研究分野の130疾患)

(2)医療施設等の整備(重症難病患者拠点・協力病院設備)

(3)地域における保健・医療福祉の充実・連携(難病特別対策推進事業など)

(4)QOLの向上を目指した福祉施策の推進(難病患者等居宅生活支援事業)

・・・・・・・などの対策が行 われています。

また難治性疾患克服研究事業における臨床調査研究対象疾患130疾患のうち、診断基準が一応確立し、かつ難治度、重症度が高く、患者数が比較的少ないため、公費負担の方法をとらないと原因の究明、治療法の開発などに困難をきたすおそれのある疾患については・・・・・・

(5)医療費の自己負担の軽減(特 定疾患治療研究事業)

・・・・・・対策をしています。

***************




さらに「医療イノベーション5ヶ年戦略」では・・・・・
   ↓
「V−1−10 希少疾病や難病などのアンメットメディカルニーズへの対応」

希少疾病用医薬品・医療機器の開発に対する支援について、患者数が特に少ない希少疾病用医薬品・医療機器の指定制度・助成金や専門的な指導・助言体制の充実・強化を行う。(平成24年度から実施する。:厚生労働省)





僕が関わった難病は「卵巣がん」(これは難病と言わないのが普通でしょうが)、「ALS」、「脊髄小脳変性症」だけですが、たとえば、娘が「アトピー性皮膚炎」と「喘息」に罹患しているので、やっぱり、色々と考えてしまいます。

私の父は戦前「結核」に罹患していました。当時は結核は「不治の病」でした。

僕も小学2年生の時に「リウマチ熱」に罹患しましたが、もし、当時、抗生物質が無かったら、今、生きているかどうか疑わしいところです。ついでに今は高血圧と高脂血症とうつ病、不眠症の薬を服用中。


安全性と有効性を確認するのが治験の「目的」ですが、患者さんにとってはあくまでも「治療の一環」という考えを持っていると思います。

そんな思いも大切にしたいですよね。

今週は僕の我が儘で勝手な言い分の言い放題、でした。



来週は夏休みで、このブログはお休みです。

次回は8月20日からを予定しています。

では、皆様も素敵な夏休み!

(難病の方に、夏休みもくそもないのですが・・・・・・。)


混乱したまま次回へ




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2012年08月09日

患者は治験に参加する「権利」はあるか?(4)

所謂「難病」、「希少疾患」(オーファンドラッグ等)を対象とした治験の場合、治験実施計画書の「選択基準」を緩和して欲しい、或いは「長期投与試験」には必ず参加してもらう、というのが、ここでの僕の「勝手な言い分」です。

う〜〜ん、本当に勝手だな・・・・・・。

でも、治験に限らず、患者は「自分が望む治療」を受ける「権利」があると思いませんか?


「リスボン宣言」(患者の権利に関する世界医師会(WMA)リスボン宣言)などというのもあります。
   ↓
「リスボン宣言」(患者の権利に関する世界医師会(WMA)リスボン宣言)

   ↓
****************

原則

1.良質の医療を受ける権利

a. すべての人は、差別なしに適切な医療を受ける権利を有する。

b. すべての患者は、いかなる外部干渉も受けずに自由に臨床上および倫理上の判断を行うことを認識している医師から治療を受ける権利を有する。

c. 患者は、常にその最善の利益に即して治療を受けるものとする。患者が受ける治療は、一般的に受け入れられた医学的原則に沿って行われるものとする。

d. 質の保証は、常に医療のひとつの要素でなければならない。特に医師は、医療の質の擁護者たる責任を担うべきである。

e. 供給を限られた特定の治療に関して、それを必要とする患者間で選定を行わなければならない場合は、そのような患者はすべて治療を受けるための公平な選択手続きを受ける権利がある。その選択は、医学的基準に基づき、かつ差別なく行われなければならない。

f. 患者は、医療を継続して受ける権利を有する。医師は、医学的に必要とされる治療を行うにあたり、同じ患者の治療にあたっている他の医療提供者と協力する責務を有する。医師は、現在と異なる治療を行うために患者に対して適切な援助と十分な機会を与えることができないならば、今までの治療が医学的に引き続き必要とされる限り、患者の治療を中断してはならない。

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「患者の権利」を僕は、ハッキリ言って、はきちがいています。

それでも、しつこく、言い続けます。

患者は自分の病気に対して、どんな選択肢があるのか、知る権利があります。

「医師」や「製薬会社」や「学会」が、上から目線で、患者さんの治療の選択肢を減らす(ひどい時は教えもしない)のはやめて欲しいのです。

「おいおい、私たちは何も『上から目線』で言っているんじゃないぞ。本当に患者のことを思って、そして医学的な根拠に基づいて治療方針を考えているんだぞ。」

はい。そうだと思います。

おっしゃるとおりです。


さらに混乱したまま、また、明日へ突入


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2012年08月08日

患者は治験に参加する「権利」はあるか?(3)

治験に限らず、通常の診療においても、全ての治療を受けられるわけでありません。

でも、少しでも可能性のある治療方法があったら試してみたいと思いませんか?(僕は思います。)


たとえば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を対象とした治験のご紹介
   ↓
「筋萎縮性側索硬化症(ALS)を対象とした治験のご紹介」



上記のパンフレットによると「3)ALSを発症して2年以内の方」という縛りがあります。

それ以外にも8項目の縛りがあり、それらを全て、満たした患者しか治験に参加できません。

あなたやあなたの家族がもしALSを発症して3年だったら、どうしますか?

普段、僕は「プロトコルの逸脱・違反を防ごう!」と、さんざん、言っていますし、その中でも特に「選択基準違反」や「除外基準違反」は患者の命に関わるので、絶対に避けるべきだとわめいています。

でも、自分で納得しない場面もあります。

特に自分や自分の家族が難病だったら、という実に「わがまま・勝手」な言い分なのですが。


通常の病気(と言っても定義が漠然としていますが)の治験とは別に「難病」に指定されている病気の治験は参加条件を少し、緩和して欲しいものです。

難治性疾患克服研究事業の臨床調査研究分野の対象疾患である130疾患の治験については、患者や家族の治験参加希望があれば、それを最優先する、というわけにはいかないでしょうか?

普通、いかないですよね。

分かっています。

私も卵巣がん(タキソテール)の治験を担当するモニターだった頃、ある卵巣がん患者さんが治験に参加するのを辞退してもらったことがあります。

もし、その患者さんが治験に参加したら、効果が出ない可能性が高かったからです。

そうなんですね、全てではないのですが、製薬会社の都合なのです。

効果が不発揮だと、その治験薬の有効率が下がるのを嫌っている、とも言えます。

だから、そういう事情(製薬会社の「有効率を下げたくない」という事情)を乗り越えて、安全性が確保できない場合以外は治験に参加させて欲しいと思います。

場合によっては安全性を多少、犠牲にしても患者の意思なら治験に参加させて欲しいとも思います。


あるいは、「難病」「希少疾患(オーファンドラッグ)」の治験の場合、必ず所謂「長期投与試験」をダブルブラインドと同時に走らせて、その長期投与試験は選択基準を大きく緩和させる、と言う手もあります。

この場合、長期投与試験はあくまでも「安全性データ」を集めるのが目的なので、「有効性」を気にしなくていいですよね。

ダブルブラインドの治験には参加できない難病の患者さんや希少疾患の患者さんは長期投与試験に参加してもらうようにする、というのはどうでしょう?



いつも、このブログの文章は論理的ではないのですが、今回は特にそうです。

自分でも感情的に考えているということは分かっています。

普段の主張とは矛盾しているし、まったくもって「我が儘で勝手な言い分」なのは重々、承知しています。


混乱のまま明日へ突入



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2012年08月07日

患者は治験に参加する「権利」はあるか?(2)

突然ですが、あなたの病気がALSだと医師から言われたとします。

ALSについては、下記、参照

**************

ALS=筋萎縮性側索硬化症

筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう、amyotrophic lateral sclerosis、通称ALS)は、重篤な筋肉の萎縮と筋力低下をきたす神経変性疾患で、運動ニューロン病の一種。

極めて進行が速く、半数ほどが発症後3年から5年で呼吸筋麻痺により死亡する(人工呼吸器の装着による延命は可能)。

治癒のための有効な治療法は確立されていない。


参考になるサイト

●ALS筋萎縮性側索硬化症の疾患・治療に関する情報プログラム
  ↓
「ALS筋萎縮性側索硬化症の疾患・治療に関する情報プログラム」


●日本ALS協会
  ↓
「日本ALS協会」




**************



ちなみに上記の「●「ALS筋萎縮性側索硬化症の疾患・治療に関する情報プログラムのサイト」に「ALSの治療薬「リルゾール」について」とありますが、実は、僕がローヌ・プーランローラーというフランス系製薬会社に勤めていた時に「リルゾール」の治験について監査を担当していました。

当時(今も)、ALSの治療薬が無く、「リルゾール」は期待されていましたが、効果としては「治癒」を目指すものではなく「進行を少しだけ遅らせる」というものでした。

でも、何も無いよりはましです。

世の中には進行を遅らせる薬すら無い病気が山のようにありますからね。



さて、それで、話しは元に戻しますが、「あなたの病気がALSだと医師から言われたとします」。

リルゾールを試してもらうのはもちろんですが、期待したほどの効果が出なかったとします。

そんなおり、下記の情報を入手しました。
   ↓
「筋萎縮性側索硬化症(ALS)を対象とした治験のご紹介」


あるいは、下記のニュースを見たとしましょう。
  ↓
「筋萎縮性側索硬化症(ALS)を対象とした治験のご紹介」

「筋萎縮性側索硬化症(ALS:Amyotrophic Lateral Sclerosis)」


どうします?

あなたはALSの治験に参加したいと思いませんか?

あなたの「治験に参加したい」と言う希望を医師は認めてくれるでしょうか?

不安な気持ちで、明日へ続く




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