ところで、そもそも臨床研究中核病院とは?
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厚生労働省のページ
●「平成24年度臨床研究中核病院整備事業の公募結果について」
国際水準の質の高い臨床研究や難病等の医師主導治験を推進し、日本発の革新的な医薬品・医療機器を創出するためには、複数病院からなる大規模なネットワークの中核となり、臨床研究の拠点となる機関が必要です。
厚生労働省ではこのたび、この課題に対応するため、臨床研究中核病院整備事業の対象として、次の5機関を選定しましたので公表いたします。
●北海道大学病院
●千葉大学医学部附属病院
●名古屋大学医学部附属病院
●京都大学医学部附属病院
●九州大学病院
1.事業概要
●日本発の革新的な医薬品・医療機器の創出等を目的に、国際水準の臨床研究、難病等の医師主導治験及び市販後臨床研究等(以下「国際水準の臨床研究等」)の中心的役割を担う「臨床研究中核病院」を整備する事業。
●選定された機関は、以下の基盤構築を行う。
・自ら国際水準の臨床研究等を企画・立案し実施するとともに、他の医療機関が実施する臨床研究を支援できる体制
・倫理性、科学性、安全性、信頼性の観点から適切かつ透明性の高い倫理審査ができる体制
・関係者への教育、国民・患者への普及啓発、広報体制 等
●各機関から提出される整備計画に基づき、1機関当たり5億円程度を上限として基盤整備に必要な事業費を補助する。
●整備事業と連動して、国際水準の臨床研究等を行うための研究費を補助する。
●補助期間は平成24年度からの5年間を予定。
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臨床研究中核病院整備事業および日本主導型グローバル臨床研究体制整備事業における各整備対象機関の整備目標について標記について、当該機関の整備に関する目標を公表いたします。
●「厚生労働省の治験のサイト」
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さて、その病院ですが、次の5施設です。
●「北海道大学病院」
●「千葉大学病院」
●「名古屋大学病院」
●「京都大学病院」
●「九州大学病院」
さらに、ついでに「日本主導型グローバル臨床研究拠点」という施設も剪定されています。
●「北里研究所・大学病院」
●「先端医療振興財団」
さて、まず、最初は本質的なことではないのですが、それぞれのパワーポイントの資料を並べて読むと気づくことがあります。
それは「キーワード」です。
たとえば「●●から世界へ」というもの。
「北海道から世界へ」とか「名古屋・中部から新しい医療を世界へ」とか「京都から世界へ」等ですね。
さらに「出口戦略」「出口を見据えた」というもの。
「出口」って何でしょう?
多分、思うに、「結果を重視した・見据えた戦略」というようなことでしょうか。
何も考えずに「シーズありき」ではなく、「これはどのように開発していくのか、そのシーズを結局、何に繋げるのかを初めからきちんと考えてやりましょうね」というあたりなのかな。
パワポの資料だけでは何とも読み取れないですが。
さらに「ICH-GCP準拠」も臨床研究中核病院の共通したキーワードになっています。
なんか、今さら? という感じですが、もちろん、今からでも遅くはないので、是非、ICH-GCP準拠の臨床研究を実施して頂きたいものです。
もちろん、ICH-GCPに準拠することで臨床研究のデータの信頼性や科学的な質が向上する、海外の申請に耐えうるデータが集まるという効果が一番なのですが、それともうひとつ重要な効果として期待できるのは、医師(病院)が実施する臨床研究をICH−GCPに準拠して実施して頂くことで「企業主導治験」に対する理解も深まっていき、今後の治験がスムーズに進行してもらえるのではないか、というものがありますね。
「モニタリング」とか「監査」とか「ALCOA」とか、普段、何故、企業は色々とうるさいことを言ってくるのか、それを身を持って経験してもらえるわけです。
あるいは逆に企業がうるさいことを言ってきたときに「あれ?そんなことGCPで言っている?それは過剰でしょ!」と言えるようになります。
さらにさらに、これから「医師(病院・大学)主導で国際共同治験」を実施して頂けると、日本の臨床研究も本当に世界レベルになると思います。
企業主導の国際共同治験に「いち施設、いち治験責任医師」として参加したぐらいでは、本当の国際共同治験の難しさなんて分かりません。
ここは、やっぱり、医師(病院・大学)自らが世界各国の臨床医をマネジメントしてリードして頂くことで、新薬の世界同時開発を体験して頂きたいものです。
なんか、上から目線ですが(いつものこと)。
ほかにも共通したキーワードは「シーズを見出し、育てる」「人材育成」「病院長をまきこんで、病院を一体化して」「AROの強化」というあたりがあります。
まぁ、どうでもいいのですが、このように複数の病院が出してきた資料なのに、多くのキーワードや発想が重なっているのは何故でしょう?というのも考えてみると面白いかも。
企業の場合ですと、一大プロジェクトを発足するにあたり、「ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)」のようなコンサルタントファームを使うことがあります。
すると、発表用のパワポの雛型をコンサルタント会社が用意し(その時に、ある程度のキーワードが既に記載されている)、そこに自分たちのメッセージを記載していく、という手法をとります。
今回の臨床研究中核病院の資料も、ある程度、誰か(厚生労働省とか、コンサルタントファームとか)が用意し、そこに個別の病院の担当者が情報を追加していったのかな、という気がします。(本当に、どうでもいい話で、すいません)
では、今日は北海道大学病院を見ていきましょう。
臨床研究中核病院としての北海道大学病院は、次の5つを目標を定めています。(5ヶ年計画)
●病院長の責任下での体制の確立
●出口を見据えた臨床研究体制の整備
●ICH-GCPに準拠した臨床研究の実施
●多施設共同研究体制の整備
●国民の理解に基づく臨床研究の実施
うん、いいですね。
ちなみに、中核病院のスライドを見て思ったのですが、どこも「組織・体制」がえらく込み入っていて、これは相当、リーダーシップを強く発揮して、マネジメント能力にも長けた人がいないと、とっても大変だなと思いました。
ちょっと見、こんな組織体制が本当にできるの?といらぬおせっかいなのですが、予算をしっかりと獲得して、優秀な人材を集めてくださいね。
さて、北大病院の特徴ですが、それは「陽子線治療装置の開発」です。
これは「がん」の「サイズ」「体内の動き」「放射線感受性」に合わせたテーラーメイドの放射線治療を実現することを目指したものです。
最近はこのような「陽子線」や「重粒子線」を使った「がん」の治療が盛んに研究されていますね。
私どもの会社(リアルに僕が働いている会社)でも(と急にセールスマントーク)、鹿児島の指宿に「重粒子線治療」の施設を持っています。
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●「メディポリス医学研究財団」
ちなみに「粒子線治療を受けられる病院(施設)は全国で8箇所です」
↓
●「粒子線治療を受けられる病院」
北大病院に戻りますが、北大病院ののターゲットですは、「難治性神経疾患の治療法開発」と「心不全治療のあらたなエビデンス創出」があります。
是非、期待しましょう!
特に「難治性神経疾患」については是非、頑張ってほしいものです。
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●医薬品ができるまで(治験に関する話題)