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「臨床研究・治験活性化5か年計画2012(案)」に関する意見の募集について寄せられた御意見について」
そもそもこれは、「臨床研究・治験活性化5か年計画2012案に関する意見の募集について」によせられたパブリックコメントです。。
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「開発が進みにくい分野への取組の強化等」に関するコメント ★★★=コメントです。
★★★国立保健医療科学院の臨床研究情報や独立行政法人医薬基盤研究所のサイト検索、一般社団法人日本医薬情報センター、公益財団法人難病情報センター、いずれにも出てこない疾患がないよう、窓口の網羅ができると心強い。
↓(回答)
貴重な御意見をありがとうございます。
計画には、「希少・難治性疾病等の治験に関する情報提供」について記載しており、今後、計画に基づき取り組んでいきます。
★★★研究資金を様々なところから集めるのに研究者は苦労しています。
各研究資金の使用できる範囲および期間の拡大および複数の資金での雇用など、柔軟な運用体制を整備することは極めて重要とおもいますので、こうした検討を短期的に行うことを明言化していただきたいと思います。
↓(回答)
貴重な御意見をありがとうございます。
計画には、「厚生労働省・文部科学省が実施している整備事業や研究費については、それぞれの役割・機能を明確化した上で、効率的に資金配分を行う。」と記載しており、今後、計画に基づき、取り組んでいきます。
★★★臨床研究中核病院や早期・探索的臨床試験拠点医等以外での取組みとしては、継続的に予算を確保される等の仕組みによる若手研究者が定着できる環境整備が必要です。
「厚生労働科学研究費等において、医師主導治験への更なる支援を行う」ことも重要です。
↓(回答)
計画には、「厚生労働科学研究費等において、医師主導治験への更なる支援を行う」と記載しており、今後、計画に基づき、取り組んでいきます。
『小児疾患、希少・難治性疾患等への取組』に関するコメント ★★★=コメントです
★★★「患者数が少ない等の理由により製薬企業が開発に着手しない医薬品・医療機器を対象とした臨床研究・治験に対して、財政上の支援の充実を図る。」については、できる限りの支援をすべきである。
↓(回答)
計画には、「患者数が少ない等の理由により製薬企業が開発に着手しない医薬品・医療機器を対象とした臨床研究・治験に対して、財政上の支援の充実を図る。」と記載しており、今後、計画に基づき、取り組んでいきます。
★★★「臨床研究に関する倫理指針」及び「疫学研究に関する倫理指針」の境界部分を明確化とあります。
境界部分を明確化することは、各施設で努力していると思いますが、現実的は、あいまいな研究は多数あり困難と思います。
倫理指針が多数あってそれによって見解がちがうものもあり、かえって混乱を生じています。
乱立している指針を1つの指針で統一することで、被験者保護を明確にすれば、臨床研究・疫学研究の分類に拘泥することなく活用しやすくなると思います。
↓(回答)
計画には、「「臨床研究に関する倫理指針」及び「疫学研究に関する倫理指針」における指針間の関係を見直し、臨床研究を実施する際により活用しやすい指針となるよう検討する。」と記載しており、今後、計画に基づき、取り組んでいきます。
★★★「希少・難治性疾患などの治験情報に関しては、国立保健医療科学院の臨床試験情報ポータルサイトにおいて、様々なウェブサイトの提供情報を集約し、「希少がん」「希少疾患」「難治性疾患」というキーワードを用いても検索できる体制を構築することが望ましい。」
↓(回答)
今後、アクションプランを策定する際の参考にさせて頂きます。
『その他のご意見』 ★★★=意見です
★★★これまで、治験活性化5カ年計画を行なってきているが、わずかな進歩が見られるのみであり、飛躍的な活性化は得られていないのが現状である。
我が国での臨床研究・治験活性化を目指すためには、現状の把握・問題点を浮き彫りにしてそれに対する具体的解決策・対策を立てること、またそれを誰がどうやって実践し、評価、見直しをしていくか?という実践的な計画を立てる必要がある。
本計画で最も欠如していることは、誰がこのような計画を実践し、誰が評価、見直しをやっていくか?という具体的な案が欠如していることである。
厚労省が中心になってやっていくのか、研究開発振興課が中心となっていくのか?他の課とどのような連携をとっていくのか?国立がん研究センターや国立循環器病センターの役割はどうなるのか?など、計画をどうやって実践、またそれをしっかりとモニター・評価をするしくみについても検討すべきである。
↓(回答)
今後、アクションプランの策定にあたっては、可能な限り実施者の特定を行う予定です。
★★★現状での問題点と改善案について
問題点
1. ここ5〜10年間で、治験総数、治験症例数ともに、韓国、中国に追い抜かれている。
国際共同治験も日本が仲間はずれにされることが多い。
(ア) 治験のコスト高の問題が原因。治験コストは韓国の2倍、中国の5倍である。
(イ) 日本では英語プロトコールで治験ができない
(ウ) 人材育成(医師、CRCなど)がすすんでいない
2. 日本発の創薬が極めて減少していている
(ア) 産官学連携ができていない
(イ) 企業の開発力の低下
(ウ) 民(患者)の参加意識が少ない
日本の臨床研究・治験の現状は、危機的状況にある。
欧米諸国からは、既に10年以上の遅れをとっていると言っても過言ではない。
最近のグローバル臨床試験(治験以外の国際共同試験にも参加していない)からは、置いていかれ、治験レベルでは、韓国、中国にも抜かれ、分子標的薬剤の時代になってから、日本からの創薬が全く途絶えた状況になり、また、世界100カ国以上で承認された薬剤が日本で使えないなど、我が国の臨床研究・治験を含めた薬事行政全てが先進国はおろか、発展途上国以下のレベルにまで成り下がってしまっている。
この現状をしっかりと、我々は見据えて、何が原因であり、どのような改革を行うべきか、危機的意識をもって取り組む必要がある。
改善案(計画案に記載のない改善案)
1.無駄な治験の排除 国際共同治験からはずされた結果、欧州・アジア諸国にて承認された後、改めて日本で治験を開始するという事例が多い。
この場合は、最低限の治験にするべきであるが、「日本人のデータ」に固執するあまり、時に何千例規模の無駄な(海外では全く評価されない。Major journalにも相手にされない)治験をしている現状にある。
このような治験は、企業側にとっても無駄な治験費用の排出、国側にも無駄な審査時間・費用の排出、医療機関側には、無駄な労働時間の排出、患者側にとっても、ドラッグラグにしかならない。
これまで日本で行われた無駄な治験(日本で治験をやったが、海外での治験結果と何ら変わらなかった事例、Major journalにアクセプトされなかった事例)を徹底的に洗い出し、無駄な治験をやらないようにするべき。
海外で既承認薬を日本で新たに治験を開始する場合には、第二相試験以降の治験が本当に必要であるのか?
PMDAと企業との2者間のみで議論するべきではなく、研究者・患者側を交えた公開の場で議論をするべき。
無駄な治験を排除することは、企業にとっても、研究費を新たな治療開発費に投入できることにもなるし、医療者(研究者)のモチベーションが向上し、患者はドラッグラグに苦しむこともなくなる。
2.評価体制のシステム作り
臨床研究(試験)・治験に対する評価システムに関しては、我が国では具体的なシステムが欠如している。
以下のシステム(組織づくり)が必要臨床研究:
現行では、年1度の厚労省、文科省科研費の発表会、研究結果報告書による調査という低レベルな評価制度でしかない。
研究者による互いに評価するPeer Reviewシステム方式の構築。
例えばがん領域研究に対しては、他領域の研究者(循環器など)が具体的評価を行うなど。
毎年何回か開催し、報告書も作成する。
治験:外部評価(FDA・NCIから招聘、EMEAから招聘、海外の研究者、患者代表、医療業界以外の企業人などをメンバーに含める)による具体的な評価制度の策定。
★★★これまでの活性化の取組をベースに、単に延長で終わることなく、さらなる飛躍となるような計画とその実行にしてもらいたい。
そのためにも今回の臨床研究・治験活性化5か年計画2012が実施された5年後の姿を明確にすべきである。
5年後に医療機関がどのようになっているか、具体的な数値目標(臨床研究をどれだけ実施しているか、臨床研究の論文がいくつ掲載されているかなど)を設ける必要があると思われる。
また、今回の計画の進捗の管理、評価を毎年行うなど、成果を評価する仕組みとそれを行う外部機関等を設置し、評価は公表されるべきだと考える。
↓(回答)
今後、アクションプランを策定する際の参考にさせていただきます。
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さて、いかがでしたか?
先週と今週の2週に渡って「『臨床研究・治験活性化5か年計画2012(案)』に関する意見の募集について寄せられた御意見」について見てきました。
様々な意見があり、それはそれで貴重だと思いますが、もっと大事なことはそれらを実践にどのように活かしていくか、です。
それと、今回の「意見」は「当局」に向けられたものだと考えがちですが、実は、私たち(民間企業・製薬業界)に向けられたコメントとも受け止める必要があると思います。
これらのことを「他人ごと」として見るのではなく、「当事者」として見て、考えることが重要です(当事者意識が不可欠)。
私たちの努力不足で発生している問題も多いと思います。(例えば、「サンプリングSDVの実施」等)
当局や活性化計画、ガイドラインを批判するだけではなく、「じゃ、私たちにできることは何?」という考え方が大切です。
今後も他人任せではなく、自分に向けられた課題として取り組んでいきましょう。
そして、最後に、「患者の視点」を忘れずに。
今後の治験の活性化は僕やあなたの肩にかかっています。
せっかく、この世に生を受けたのですから、生きていた証が欲しいじゃありませんか。
そのためにも。ね?
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