2012年04月13日

データマネジメント教育の 必要性と課題

今日は「専門CRC・LDMによるチーム支援体制を目指して」(国立精神・神経医療研究センター 治験管理室)を見ていきましょう。

まず「データマネジメント教育の 必要性と課題」が述べられています。
  ↓
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●データマネジメント教育の 必要性と課題

★データマネージャー(以下、DM)

●治験・臨床研究の実施にあたり、「品質管理」の実施は不可欠

●集積データを管理し、高水準な質を維持するため、DMは治験・臨床研究の目的を理解し、症例登録から解析までの細部にわたり十分に把握することが望まれる

●モニタリングの効率を向上させることは、治験・臨床研究の迅速化・コスト低減にも効果が期待される。



★DMの養成研修について

ローカルデータマネージャー養成研修(モデル研修)として(独)医薬品医療機器総合機構が主催し、(財)日本薬剤師研修センターにより、平成19年〜22年に1回/年実施された。

4回のうち延べ約300名近い受講者

平成23年度 治験推進地域連絡会議
文部科学省・厚生労働省、新たな治験活性化5カ年計画、2007年3月30日より

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そうなんですよね、治験のデータの品質保証に病院側でのデータマネジメントがいるとすっごく助かります。

そこから治験データの品質が向上したら「サンプリングSDV」も広がっていくと思うんですよね。



国立精神・神経医療研究センターでは、次のような体制を取られているとのこと。
 ↓
■■■■■■■

CRCとLDM(LDMとは)によるチーム支援体制

●そもそも、LDMとはローカルデータマネージャーのことで、治験・臨床研究実施施設で業務=医療機関でのデータの品質管理者を指し、プロトコル遵守管理、患者の被験者適格性の確認、症例報告書作成支援、モニタリング・監査への対応をします。

目的:
1.治験の効率化

2.原資料・症例報告書の品質保証

3.医師主導治験、臨床研究の支援及び円滑化

⇒医療機関内の品質管理プロセスの確立

役割分担の明確化(責任の所在の明確化)

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上記の中でも「原資料・症例報告書の品質保証」と「役割分担の明確化(責任の所在の明確化)」が必須ですよね。

逆に言うと、今までの治験では上の2項目が「いい加減」だったとも言えます。



さらにこんな素晴らしいことを報告されています。
 ↓
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●業務プロセスと原資料特定の重要性(スライド12ページから)

これらを明確にすることで、エラーが減少し、依頼者によるSDVでの指摘の減少が期待できます。

●原資料特定作業の重要性(スライド20ページから)

★原資料への記載漏れ防止につながる

★CRFと原資料と不正合防止 ⇒ 原資料・症例報告書の品質保証・治験の効率化


★現状での課題

●原資料の特定や作成リストは時間を要す

●国際共同治験等、依頼者の治験準備の進行により早い段階で原資料の特定が出来ない



●LDM設置の効果(医療機関へのインタビュー調査より抜粋)

品質の向上

アクセプト原資料記録段階のエラーが削減 (LDMからのフィードバックによる削減)

アクセプトCRF作成時のエラーが削減(専門化による)

腕時計効率化・省力化

アクセプトEDCの入力効率が向上

アクセプトCRF作成完了までの期間が短縮

アクセプトCRC一人あたりの担当治験数が増加 ( CRC業務のスリム化による)

腕時計治験依頼者とのスムーズな連絡体制が構築ができる (LDMは在席していることが多い)

出典:
「治験の効率的実施を目指した医療機関での品質管理 −治験依頼者の視点から−」

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さらに治験モニターの教育を担当している僕の目を引いたのが次の項目です。(スライド23、24ページ目)
  ↓
●教育研修プログラム

・臨床研究倫理講座

・臨床研究基本・専門セミナー

・若手研究者育成のためのフェローシップ体制

・E-learning

・データマネジャー育成プログラム

・IRB/EC委員教育支援

●データマネージャーの育成

・センター教育

・CROとの実践教育


いいですね。

どんなに素晴らしい治験ツールを作成しても、どんなに厳しい治験ガイドラインを作ったとしても、所詮、最後は「人材」です。

人材開発をしていない組織は消えていきます。


最後にこんなまとめをされています。
  ↓
■■■■■■■

●今後の課題

★治験の効率化と原資料・症例報告書の品質保証および医師主導治験の円滑化を目的にCRCとLDMによる支援体制を構築し、医療機関内の品質管理プロセスを確立することが出来た、

★適切なサンプリングSDVができる施設=十分な品質保証のラインが保てるデータが出せるようLDMの質的均質化をはかる必要がある

★LDMの教育方法として、CRC業務を理解・経験の後、個々の目標に沿った教育プログラムが必要である

★来年度ICH-GCP準拠下の臨床研究も開始されるため、LDMからDM業務へと拡大させる教育プログラムを検討しなければならない

■■■■■■■


さて、今週、1週間の内容はいかがでしたか?

治験実施医療機関もがんばっています。工夫しています。

私たち治験依頼者も一層の努力をしていきましょう。

それも、ひとえに病気で苦しむ患者のためです。

そこを忘れずに治験をやっていきましょう。


■■■ 医薬品ができるまで(治験に関する話題) ■■■
   ↓
医薬品ができるまで(治験に関する話題)


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2012年04月12日

治験実施医療機関にとって、治験業務における顧客とは「治験依頼者」である

今日は「大阪市立大学医学部附属病院の拠点医療機関としての取り組み」(大阪市立大学医学部附属病院 医薬品・食品効能評価センター)を見ていきましょう。

この中でも特に『品質管理から見た治験実施体制の整備』が注目されます。
  ↓
■■■■■■■

当センターでは、業務の継続的改善を行うため、また職員の意識改革や組織活性化という病院の目標に従い、積極的にPDCA(Plan-Do-Check-Act)の考え方を取り入れている。

●顧客満足(Customer satisfaction ;CS) の調査を組み合わせることにより、業務改善の測定が可能である。

●治験業務における顧客とは「治験依頼者」である。

●我々の設定する製品とは「受託治験実施(サービス)」である。

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素晴らしい!

「顧客満足」という意識、「顧客は治験依頼者である」という考え方、「我々の設定する製品とは「受託治験実施(サービス)」という発想、「PDCAを回す」という考え方。

こういう視点を持たれている病院があると思えるだけで、勇気が貰えます。

大阪市立大学医学部附属病院では「顧客満足度アンケート」も取られています。(スライド5ページ目から)



この顧客サービスという意識について次のようにまとめられている。
 ↓
■■■■■■■

●年度ごとの治験依頼者満足度調査は実施医療機関の評価を確認するための有用な方法である。

●定期的に依頼者の意見を聞き取ることは治験実施施設にとっては必要な手段であると考えられた。

●得られた情報を業務改善につなげることにより治験の効率化にも繋がる。

●今後の課題として、個人の評価のバラツキの減少、全体のスキルアップ並びに業務の効率化の推進の必要性が考えられる。

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僕は今、CROで働いていますが、そこでもやはり「顧客満足度アンケート」を治験ごとに取っています。

そのアンケート結果が、会社の意識を変えてくれますし、そこで働いている私たちの社員の意識も変えてくれます。

是非、これからも治験業務の顧客満足、という意識を持っていきましょうね。


■■■ 医薬品ができるまで(治験に関する話題) ■■■
   ↓
医薬品ができるまで(治験に関する話題)


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2012年04月11日

「治験啓発キャンペーン」と「臨床試験を支援するシステム」

今日は「三重県下での治験啓発キャンペーン/臨床試験を支援するシステムの開発」(三重大学医学部附属病院 臨床研究開発センター)を見ていきましょう。

スライドの8ページに以下のことが記載されています。
 ↓
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●治験拠点医療機関として整備してきた事項

★パンフレット類の作成とネットワーク参加医療施設への配布

・IRB委員のためのIRB審査「虎の巻」(2007年)

・治験啓発パンフレットの作成(2007年、2008年)

・治験啓発広報誌「HOPE」の発刊(2010年、2011年)

・県内基幹病院における治験啓発活動(2009年〜2012年)

★ 治験推進シンポジウムの開催(2007年〜2011年)

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こういう地道な活動が治験の促進につながるものです。

さらに、「みえ治験医療ネットワーク」というサイトまであります。

なかなかに素晴らしいサイトなのですが、あえて、難点を言いますと、上記のサイトの中に「臨床試験学習サイト」というページがあるのですが、これがアカウント(無料)を登録する必要があるのです。

こういう素晴らしいことは、是非、アカウントの取得なしで、オープンにして頂くと、とても役立つと思います。


そして、「治験促進上の課題」として、常に上位にあがってくる治験責任医師のモチベーションアップについて、三重大学病院では、以下のような取り組みを行っています。


■■■■■■■

三重大学病院の特色

治験責任(分担)医師のモチベーションを高める工夫

1.医師の評価項目として臨床試験/治験の実施を加点項目として追加(2007)

2.治験経費の出来高制への移行(2006)、ポイント表の見直し(2006、2009、2010)

3.研究経費の使用の自由度の拡大(海外学会参加へ支出、研究経費使用期間の延長)

4.病院データベースと連動した被験者スクリーニングシステム(CLISTA! SEARCH)の開発

5.他病院からの被験者の紹介に対する謝金(治験(紹介)協力謝金)

6.臨床試験のスケジュール管理を電子カルテのClinical Pathへ登録 (現在改良中)

7.治験医師への治験特別賞、治験貢献賞(2009)

8、多施設共同型臨床試験支援システムの研究開発(2010 ー )

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こういう工夫を、治験を実施している各医療機関で考えて頂けると嬉しいですよね。

ところで、上記のうち、どれが最も治験に対するモチベーションに繋がったのかというアンケートをやってみるのも今後の役に立ちそうですよね。




スライドの23ページに一般市民の方に対するアンケート結果が出ています。
  ↓
■■■■■■■

●治験啓発キャンペーン実施前後における回答の変化

治験のイメージが治験啓発キャンペーンのあとでは、「非常に良い」と「良い」が啓発キャンペーンの前が53.0%だったのが、治験啓発キャンペーンの後では72.8%に向上しています。

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やっぱり、地道にこういう治験啓発キャンペーンなどを通じて、一般市民の方へ治験を正しく伝えていくことが、ゆくゆくは治験の促進に繋がると思います。




治験に対する参加者からのコメントも以下のようなものが記載されています。
 ↓
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●私の症状に合う治験があれば参加したい(リウマチや膠原病、乾癬、糖尿病、高脂血症など)。

●全く知りませんでした。癌の人が新治療をするときに「どうせ実験台なんだ」とあきらめるように言っていたが、そういう面だけじゃないんですね。

●実験かと思ったが、厳しいルールがあると聞いて安心した。興味を持ちました。

●知り合いが肺がんで治験に参加していた。治験はいいことであるし、しなければならないことだと思う。

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そして、三重大学病院の担当者の方がこうも言っています。
  ↓
「◎ Man-to-manによる治験啓発キャンペーンを通じ、県民と対話しながら、治験の意義、流れを説明することが、県民に対する治験の普及啓発、治験参加意思の向上の効果が得られると考えられた。」


うんうん、そうなのだ。

草の根運動のように、しっかりとやっていきましょう。


ここで、話が少し飛びますが、僕は「「治験関係者に役立つ情報サイト」で、ほぼ毎日、治験や新薬開発、抗がん剤などについてのニュースをネットから収集して、更新している。

このネットからニュースを収集する際に使っているツールはグーグルがやっている「アラート」機能です。
  ↓
http://www.google.co.jp/alerts?hl=ja

このアラート機能に「治験」や「抗がん剤」、「治験 モニター」、「難病」、「希少疾患」等、56個のキーワードを登録しています。

すると、これらのキーワードでグーグルが収集した結果を毎日、メールで知らせてくれるわけです。

そこで、気づいたのですが、ネットの世界で「治験」や「治験 モニター」という話題は、ほとんどが「治験に参加して高額なアルバイト代をもらおう!」という話題です。

治験啓発キャンペーンを通じて、こういう「バイト料が高い治験」というイメージから「新薬の開発に欠かせないこと」というものにしていきましょうね。



さてさて、さらに「三重大」の活動を紹介しています。

その中で注目されるのが次のものです。
  ↓
■■■■■■■

●臨床試験支援システム(CReSS)

セキュリティの担保された臨床試験用のスケジュール管理ソフト、データ管理ソフトからなる臨床試験支援システムを開発研究。

多施設共同臨床試験を実施するにあたり、被験者のスケジュール管理やデータ管理を、地方病院に勤務する医療従事者(医師、コメディカル)や臨床研究コーディネーター(CRC)が簡単に行えるようにするため、ICTを用いた臨床試験支援システムを開発した。

本システムは、みえ治験支援システムMiCTSSのサイトである非公開の「治験ホスピタルサイト」上に新たに設けられた臨床試験支援システムであり、1)登録割付機能、2)被験者スケジュール管理、3)被験者データ管理を総合的に行うことができる。



●MiCTSS(Mie Clinical Trials Support System)について

1. セントラルサーバー(Oracle Database 10g)を用いWeb上で行うCRC業務支援システムであり、被験者の治験プロトコールやステータス管理、有害事象管理を行うことで、治験の質を確保 (PC端末には被験者情報は残らず、個人情報保護法に対応)

2. MiCTSSは、みえ治験医療ネットを経由する治験の進捗管理と、ネット経由でない治験の進捗管理が可能

3. みえ治験医療ネット事務局、病院管理者および病院内CRC、SMO派遣CRC は、それぞれアクセス権や閲覧内容を制限することによりMiCTSSを活用(秘密保持契約に対応したユーザーI.D.とパスワードの厳重な管理が必要)

4. みえ治験医療ネット事務局は、ネット全体の治験の進捗状況や有害事象発生の定期的な把握が可能。

また、治験依頼者に対し、治験進捗状況を一括して情報提供が可能(モニターコストの低減につながる)

5. 2009年より、臨床研究についても対応

■■■■■■■

いいですね、こういう取組み。

ITも使えるものはどんどん使って、工夫しながら、治験の促進ツールにしていきましょう。




さらに、最後に、三重大の抱負です。
 ↓
■■■■■■■

●啓発活動を通じて、三重県民の治験に対する意識の向上が図れたと思われる。今後は、医師や看護師等の医療従事者への啓発を行っていきたい。

●臨床試験を支援するシステムの充実。それを利用した臨床試験支援を増やしていきたい。

●三重大学は細胞処理センター(CPC)を有しており、早期探索的臨床試験の支援も力を入れていきたい。

■■■■■■■


素晴らしいシステムを作っても、それを活用しないとせっかくのシステムが「宝の持ち腐れ」になってしまいます。

これからが、正念場ですね。

どんな活動を三重大の皆さんが行っていくのか、楽しみにしていきましょう。






■■■ 医薬品ができるまで(治験に関する話題) ■■■
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医薬品ができるまで(治験に関する話題)


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2012年04月10日

検査機器等の精度管理はこんなことをやっている

続いて「中国地区治験拠点病院連絡協議会の活動成果」(広島大学病院 臨床研究部)について見てみましょう。

「中国地区治験拠点病院連絡協議会」には広島大学病院や山口大学、岡山大学などが参画していて、目標の共有を行っているそうです。

また、「臨床研究・治験活性化」のために次のことを実施しているようです。

●CRCの研修機会の提供

●スクリーニングシステムの共同開発

●IRB委員への研修の場提供

●5カ年計画達成への協働

この中でも「CRCの研修機会の提供」が素晴らしいです!

「参加者へ逸脱に関する多施設無記名調査を行い、その結果を参加者に伝える研修を実施」したようで、その結果を「協議会参加者に効率的な研修機会の提供」、「研修の一部は日本医師会の「臨床試験のためのeTraining Center」の教材」にも利用されたようです。

こういう情報の共有は治験の質とスピードの向上に寄与しますよね。

また、「逸脱解析結果を「CRCと臨床試験のあり方を考える会議」で報告」とのこと。

実に素晴らしい!

治験におけるプロトコルからの逸脱などはCRCの方の協力が不可欠ですからね。


さらに「(4)治験・臨床研究の効率的な実施と、企業負担を軽減する→IT化による医療機関・企業の業務効率の向上」も検討されているようです。

さらにさらに!! スライドの6ページにあるのですが「• グローバルに貢献し提案できる体制へ • 日本一ではなく、世界一をめざす」とあります。

是非、世界一を達成してください!!


また、昨年の10月にGCPの運用通知が改定され「検査機器等の精度管理」を確認することになりましたが、その件についての広島大学の経験が記載されています。
  ↓
■■■■■■■

●2009年秋 外資製薬会社本社Auditor来院

指摘事項

1. 治験薬の温度管理は記録に加えて精度管理を伴うことが重要だ!

→冷蔵庫の温度測定に用いる温度計の精度保証は?

→精度保証を証明する記録は?

→複数の冷蔵庫があれば記録を明確に冷蔵庫毎に区別し、記録しているか?

→温度記録データの保管は?


2. 突然の停電・予定される停電の対処方法を明らかにしておくことが重要だ!

→停電時の冷蔵庫への電力の供給は?

→停電時のマニュアルは作成しているか?

3. FAX受信した外注検査結果データを責任医師はいつ確認したか、確認のサインと日付けを記載しているか?

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この「治験薬保存に関する温度管理」について、広島大学では先端のいITを利用して、効率化をはかっているようです。

こういう経験が、のちのちの治験に有用です。

これからも様々な課題や問題が発生するとは思いますが、この広島大学の取り組みのように、地道に試行錯誤していくのが必要です。

これは治験実施医療機関だけではなく、治験依頼者にとっても同様です。

課題から逃げるのではなく、正面からぶつかっていきましょう!

広島大学病院ではどのように温度管理をやっているか、とう具体事例がスライドに記載されていますので、是非、それもご参照ください。



さらに、こんな素晴らしいことも記載されています。
  ↓
■■■■■■■

●国際競争力のある治験実施体制の整備とは

1. グローバルからの要求にたじろぎ、対立や対応するための協議を長時間している場合ではない。

2. グローバルに対応した体制の整備には、発想の転換が必要。

3. 日本人のデータは各国で承認申請するデータの一部に含まれる、J-GCPに加えてICH-GCPに対応したCRC・治験事務局の業務体制に転換することが当然。

4. グローバルに貢献する意識を高めよう。
→All for the team

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上記のうち、特に「発想の転換が必要」が重要です。

自分たちがやっていることが世界の基準だと思うのではなく、柔軟な対応を目指していきましょう。




そして、こんなことも。
 ↓
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●世界1番の症例登録→グローバルから花束

アクセプト責任医師・分担医師に誇りが生じた

アクセプトCRCに自信と意欲の高揚が生じた

■■■■■■■

いいですよね〜〜〜、こういうこと。

私たちも自信と意欲をもって治験を活性化していきましょうね。


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   ↓
医薬品ができるまで(治験に関する話題)


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2012年04月07日

治験推進に向けた欧州製薬団体連合会 (EFPIA)の取り組み

今週は「平成23年度 治験推進地域連絡会議」で発表された資料を「つまみ食い」したいと思います。

本当は、この話題は「医薬品ができるまで」でやる予定だったのですが、言いたいことが多くなりそうなので、「ホーライ製薬」のこちらで話題にしたいと思います。

ということで、まずは「欧州製薬団体連合会(EFPIA)」の方が発表した資料から見ていきましょう。
     ↓
治験推進に向けた欧州製薬団体連合会 (EFPIA)の取り組み


この発表の中で興味を引くのは、「日本の治験環境の変化と現状」の中の「第25回日本臨床薬理学会ランチョンセミナー、2004年9月」で発表された項目です。
  ↓
■■■■■■■

治験依頼者として今後の姿勢

●モニタリングの重要性の認識とモニターの資質の確保

●依頼者と医療機関の対等のパートナーシップの醸成

■■■■■■■



上記のうち「モニタリングの重要性の認識とモニターの資質の確保」は、まぁ、当然ながら分かるのですが、興味深いのは「依頼者と医療機関の対等のパートナーシップの醸成」ですね。

実際の説明を聞いた訳ではないので、僕の解釈が間違っているかもしれませんが、それまでは治験依頼者と治験実施医療機関との間にヒエラルキーがあり、どちらかと言えば、治験依頼者<治験実施医療機関 というように、治験依頼者が病院に対して「腰が引けている」ということがあったのかもしれませんね。

さらにモニターと治験責任医師との間でも同様にヒエラレルキーがあり、モニター<治験責任医師、という構図がありました。(僕もモニターをやっていた時代、それは感じました。)

僕がフランス系の外資製薬会社に勤めていた頃、フランス本社の「新人モニター向け研修資料」としてビデオを観たことがあります。

そのビデオの中で、症例登録が進んでいない治験責任医師に対してモニターが発破をかける場面がありました。

欧米では「契約社会」なので、契約したからには、治験責任医師は治験を促進してもらわないと困る、とモニターが治験責任医師に言い放つのでした。

そのビデオを観たとき(今から15年ほど前)、「そんなことを日本の治験責任医師に言ったら、出入り禁止になるな」と僕は思ったものでした。



今でも、本来なら医療機関側で作成すべき資料をモニターが肩代わりになって作成していることが多いですよね。

上記のスライドの9ページに「当該業務を、依頼者側が「ほぼ」または「すべて」サポートしている施設の比率」という調査結果が載っていますが、以前ほどではありませんが、やっぱり今でも「肩代わり」している業務が多いことが分かります。

たとえば、こんな資料(↓)をモニターが(治験依頼者側が)作っています。

●同意文書

●治験参加カード

●症例ファイル

●ワークシート

●併用禁止薬・同種同効薬リスト


以前、「医薬品ができるまで」の中の「治験業界は確実に変わりつつある」でも紹介しましたが、病院側も意識が変わってきているようです。

本来、医療機関側(あるいは治験責任医師)が作成する資料は、医療機関(あるいは治験責任医師)で作成して頂くと嬉しい限りです。

お互いに良いパートナーシップでやっていきましょうね。


さて、上記のスライドで面白いのは「治験中核病院」や「治験拠点病院」における「統一書式」の採用率が、一般の医療機関よりも低いということ。(スライドの7ページ)。

さらに「治験申請手続きに要する時間の推移」(8ページ)でも、「治験中核病院」や「治験拠点病院」の平均日数が普通の病院よりもかかるということ。(スライドの8ページ)

なんかさ、笑っちゃいけないんだけれど、つい、笑っちゃう。

是非、「治験中核病院」や「治験拠点病院」はそれなりの成果を出して頂きたいと思います。(本当は色々と頑張っているのは分かっていますが。)

とまぁ、スライドの中で色々と考察されていますが、最終的にはこんなことになっています。
   ↓
■■■■■■■

●●● 日本の治験環境の現状のまとめ ●●●

現状でも適切な医療機関を選定する事により、日本においても、ほぼ欧米並みのスピードとコストで治験を実施することは可能である

●全国治験活性化3カ年計画および新たな治験活性化5カ年計画の取り組み(EDCの普及、統一書式の利用、治験薬直送の受け入れ等)が定着しつつある

●治験実施施設をある程度集約すると、日本の総合的な治験実施のパフォーマンス(スピード、コスト、質)は国際的な競争力を有するのではないか

→ モニタリングの効率化、症例集積への課題

→ 治験ネットワ−ク・中央治験審査委員会に対する期待


■■■■■■■




上記の中で、一番の課題は「モニタリングの効率化、症例集積への課題」ですね。

モニタリングの効率で言うならば、「サンプリングSDV」や「セントラルSDV」の実施や「リモートSDV(モニタリング)」、「EDC」の普及でしょうか。

そして「症例集積率を上げるための個々の医療機関(治験責任医師)の努力」が不可欠です。

そのためには「治験ネットワーク」が「あたかも1つの施設」のように働いて、患者さんの紹介制度を活発化させることも必要になると思います。




最後に「EFPIA」としてまとめが紹介されています。


■■■■■■■

まとめ

●日本の治験環境は確実に改善して来たが、治験効率には改善の余地がある

●「治験等の効率化に関する報告書」で取り上げられている提言の早期実現化は急務である。
特に症例集積性の改善に向けて、治験ネットワークが機能することで治験効率が飛躍的に改善する可能性があり期待する

●EFPIAは治験の国際化に対応しながら、今後も日本での治験効率の改善に取り組んで行きます


EFPIAは治験の現場を応援します!!

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私たちも『自信』と『勇気』をもって、治験の効率化に向かっていきましょう。

特に「サンプリングSDV」をやるには治験依頼者の「勇気」が必要だと思います。

「サンプリングSDV」をやって、あとで「総合機構の人に何か言われたら(クレームがついたら、あるいはデータの不整合が見つかったら)困る」ということですよね。

治験実施医療機関側で「しっかり」CRFを正確に、完全に作成されるようになる必要もあるのですが。



ところで、僕は以前、EFPIAの研修会で講演をしたことがあるのですが、受講生の皆さんは真剣にかつ活発に研修に参加していたことが記憶に残っています。

特に他社のモニターの人と意見を交わすことで、新たな視点が得られることが、こういう研修ではできるのでいいですよね。

こういう研修はEFPIAに限らず製薬協やCRO協会でも行っていますが、若い人の成長を期待したいものです。


EFPIAの皆様、期待しています!!


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posted by ホーライ at 11:19| Comment(1) | TrackBack(0) | 治験の活性化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする