2012年04月20日

ヒトに初めて治験薬を投与する施設

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臨床試験の実施施設及び人員

ヒト初回投与試験は,適切な医療施設において,必要な教育と訓練を受け,初期段階の臨床試験(つまり第I相,第U相)を実施するために十分な専門知識と経験を持つ治験担当医師と適切なレベルの訓練を受け経験を持つ医療従事者によって実施されるべきである.

これらの医師や医療従事者は,試験デザインや被験薬,その標的,作用機序及び予想される有害作用について理解していなければならず,臨床薬理学に造詣の深い者を含めるべきである.


臨床試験に従事する医療施設は,緊急事態(心肺停止状態, アナフィラキシー, サイトカイン放出症候群, 意識消失,けいれん, ショック等)に対応可能な設備や医師等を備え,また被験者の移動や治療に関する責任と業務遂行についての手順を定めた救命救急施設(外部を含む)を利用できるようにしておくべきである.


ヒト初回投与試験は,一部の抗悪性腫瘍薬等を除き、単一の治験実施計画書として同一施設で実施するのが原則である.

いくつかの施設が関与する場合には,適切な計画により全ての被験者の安全性を確保するための十分な情報伝達システムが必要である.

予期せぬ重大な被験薬の安全性情報は,このシステムにより迅速に参加施設に伝達すべきである.

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・・・・・・と言うことで、今週は「医薬品開発におけるヒト初回投与試験の安全性を確保するためのガイダンス」についてみてきました。

みなさんも、フェーズ1に関わることがあるかもしれませんが、とにかく創薬ボランティアの安全性を第一に治験を進めていってください。


「早期・探索的臨床試験拠点整備事業」というものも進められています。

たとえば
 ↓
  ↓
「早期・探索的臨床試験拠点整備事業」




ほかにも、たとえば
 ↓
2011年10月31日

早期・探索的臨床試験拠点の体制整備目標について標記について、当該拠点の体制整備に関する目標を公表いたします。

▼国立がん研究センター東病院 (医薬品/がん分野)
   ↓
「国立がん研究センター東病院」

▼大阪大学医学部附属病院 (医薬品/脳・心血管分野)
  ↓
「大阪大学医学部附属病院」

▼国立循環器病研究センター (医療機器/脳・心血管分野)
  ↓
「国立循環器病研究センター」


▼東京大学医学部附属病院 (医薬品/精神・神経分野)
   ↓
「東京大学医学部附属病院」



▼慶應義塾大学病院 (医薬品/免疫難病分野)
  ↓
「慶應義塾大学病院」



▼厚生労働省の治験のサイト
   ↓
「厚生労働省の治験のサイト」




いつもの私の持論ですが、今、病気で苦しんでいる患者さんにとっては、日本で開発されようが、アメリカで開発されようが、どこで開発されてもいいので、1日も早く「薬をくれ!」なのです。

だから、アメリカ在住の日本人や同じ(多分)モンゴリアンの韓国や中国で治験を行い、そのデータで承認されたら、同時に、日本でも承認、というシステムがあればいいのですが・・・・・・。

ただ、「そんな考えを持っていると臨床試験の場が日本から消えていき、結果としてドラッグラグを生む」という考えもあるでしょう。

いずれにしても、地球上のどこでやるにしろ、とにかく、人類初の創薬ボランティアの安全性を確保しながら新薬を開発していきましょうね。




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2012年04月19日

ヒトに対する投与量を増やすプロセス

今日は、ヒトに投与する量はどうやって増やしていくのか?ということです。
   ↓
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用量漸増の計画法

用量漸増は,薬物用量−反応曲線,曝露−反応曲線及び用量−毒性曲線等の傾きの度合いなどから非臨床試験により同定されたリスク要因を慎重に考慮し進めるべきである.

用量漸増幅は,非臨床試験で認められた用量−毒性曲線と用量−作用曲線のうち,より傾きが急なものを根拠として採用すべきである.

すなわち,曲線の傾きが急であればあるほど,用量の増加はより低くすべきである.

次の用量レベルを選択するには,主作用発現及び副作用発現を何らかの方法で評価することが求められる.


すでにマイクロドーズ試験等でヒトでの被験薬の濃度,薬理作用及び安全性についての情報がある場合には,それらを参照すべきである.

通常,初回投与量は非常に低用量であるため,何ら薬理反応を示さないことが予想される.

何ら臨床症状・所見が観察されない場合の次の用量に対する事前注意事項は前のステップの場合と同じである.

ヒトにおける情報がない場合での用量漸増幅の設定は不確実性を含んでおり,前のコホートから得られた薬物動態(PK)/薬力学(PD)及び安全性の情報をもとに,投与量,用量漸増手法を見直すこともありうる.

このような場合のために,治験実施計画書に投与量変更の可能性とその手順を記載しておくべきである.


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ということで、まずは単回投与で、徐々に治験薬の投与量を増やしていきます。

私が経験した臨床薬理試験(フェーズ1)は、「更年期障害」の治療薬と「骨粗鬆症」の治療薬でした。

どちらも、もともと体内にあったホルモンを製剤したものだったので、全くの新規化合物ほどではありませんでしたが、やっぱり不安でした。

フェーズ1の場合は、本当に慎重に創薬ボランティアの観察が必要です。
   ↓
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有害事象/副作用の観察とモニタリング

試験デザインは,有害事象/副作用を十分に観察できるものとすべきである.

また,起こりうる副作用を特定するために,被験薬の作用機序,非臨床安全性試験による知見及び予想される反応の全てを利用すべきである.

治験に関わる医療従事者は,これら予想される反応,あるいは当該反応以外の重篤な有害事象/副作用を見出すためのトレーニングを受ける必要がある.

ヒトにおいて予想される有害事象/副作用がある場合には,治験実施計画書にそれらに対する処置を予め記すべきである.

また,それらに対応可能な治療薬,対応可能な医療従事者及び医療機関についても明確にしておく必要がある.

抗悪性腫瘍薬の場合には、利用可能な支持療法、対処療法についても明確にしておく必要がある。

観察期間の長さ及び観察事項については,薬物動態(PK),薬力学(PD)及び安全性試験に基づいてその正当性を示さなければならない.

長期間にわたる生理学的変化や回復性の悪い毒性が見込まれる場合は,特に注意して設定する必要がある.

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ネットで「治験 モニター」という言葉を検索すると、「おいしいアルバイト」ということで、フェーズ1の体験談が数多くヒットしますが、安易すぎます。

ホテルみたいなところで、マンガを読みながら、1週間で50万円です!とかね。

もちろん、フェーズ1の創薬ボランティアのご協力無しで治験は進まないのですが、慎重に参加してほしいと思います。

僕自身も「抗菌剤」のフェーズ1に参加したことがありますが、下痢が発生して、辛かったです。

ただ、新薬の開発を進めるのが仕事の私たちは、本当に創薬ボランティアの安全性を十分に検討していきましょう。






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2012年04月18日

初めてヒトに投与する場合の投与方法など

次にヒトに投与する場合の投与方法も検討します。


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ヒトへの初回投与の投与経路及び投与速度の選択は,非臨床データに基づいて正当性を示すべきである.

一般に,静脈内投与の場合には,急速投与より,ゆっくりと点滴投与する方が安全性は高い.

この点滴投与により有害作用発現の監視が容易になり,重篤な有害作用発現時には被験薬の投与中止等の対応が可能となる.

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静注は、かなり危険があります。

ですので、上記のとおり、ゆっくりと点滴する方がいいのは、当然です。

また、1人に投与したら、次の人へ投与するまでには少し時間をおいて、最初の創薬ボランティアに副作用がでないことを確認したのちに、人類で2人目になるヒトに投与する、ということになります。


・・・・・・ということで、ヒトに初めて治験薬を投与する場合の試験デザインを考えてみましょう。
  ↓
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試験デザイン

通常,ヒト初回投与試験は,群間用量漸増法で実施されるが、初回投与時には一人の被験者に被験薬を単回投与するように計画することが適切である.

その後の用量群(場合によってはプラセボ数名を含む)においてもリスクを低減するため,例えば,用量を上げるたびにまず1名で安全性を評価してから進めることがより適切である場合もある.

このような場合には,引き続く被験者への投与の前に,被験者に現れた反応及び有害事象を観察し,結果を解釈するための十分な観察期間が必要である.観察期間の設定については, 類似医薬品からの情報が得られる場合には, その情報と同定されたリスク要因を考慮に入れるべきである.

被験者の数(コホートの大きさ)は薬物動態(PK)並びに薬力学(PD)パラメータの変動の程度及び次の用量・試験へ進むために必要な情報や試験目的によって決まる.

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2012年04月17日

人間に初めて治験薬を投与する場合

では、動物実験からヒトを対象とした臨床薬理試験に入る場合、最初の投与量はどう決めるのでしょうか?

「医薬品開発におけるヒト初回投与試験の安全性を確保するためのガイダンス」ではこう記述しています。
  ↓
■■■■■■■■■■■

非臨床試験結果から予期できない有害作用が発現し得るリスクを考慮して,初回投与量の設定において推定最小薬理作用量(MABEL:Minimal Anticipated Biological Effect Level)を用いることがある。

なおMABELの設定の根拠とされる薬力学(PD)試験は,必ずしもGLPに準じて行わなくても良いが,信頼性の高いものであるべきである。

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うむ。

なかなか、怖いことですよね、新規化合物をヒトに初めて投与する時は。

ヒト初回投与量を慎重に設定することは,被験者の安全性を確保するために重要な入手可能な全ての情報を考慮して,初回投与量を設定すべきですね。

ただし、どのような情報をどのように利用するかは,ケース・バイ・ケースで判断すべきです.

さて、推定最小薬理作用量とは?
   ↓
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『推定最小薬理作用量とは』

一般にヒト初回投与量は,最も感度の高い動物種を用いた非臨床毒性試験における無毒性量(NOAEL:No Observed Adverse Effect Level)をもとに,アロメトリック補正,あるいは,薬物動態(PK)情報に基づいてヒト等価用量(HED:Human Equivalent Dose)を算出し,さらに被験薬の特性や臨床試験デザインを踏まえた安全係数を考慮し設定される.

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・・・・・・ということで、動物実験で分かった最大無作用量からヒトに対する初回投与量を決めていきます。


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無毒性量『無毒性量』とは 

複数の用量群を用いた反復投与毒性試験,生殖・発生毒性試験などの動物実験において,毒性学的なすべての有害な影響が認められなかった最高の暴露量のこと.最大無作用量 (NOEL)と同義語として用いられることもある.

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無毒性量ということは、おおまかに言って、『この投与量までは、副作用が出ませんでした』ということですね。

さらに、さらにガイダンスは続きます。



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特定のリスク要因に影響される被験薬については,さらに付加的手法を用いて用量を設定すべきであり,薬力学(PD)に関する情報が有用な場合がある.

つまり,MABELを用いて初回投与量を設定する場合には,ヒトと動物との間で被験薬に対する生物学的活性に差異がないか検討し,以下に示す情報を含めin vitro及びin vivo試験から得られた薬物動態(PK)/薬力学(PD)に関する全ての情報(例えば薬物動態(PK)/薬力学(PD)モデルも含む)を利用すべきである.


@ ヒト及び適切な動物種由来の標的細胞を用いた受容体/標的への結合親和性及び占有率についての試験

A ヒト及び適切な動物種由来の標的細胞を用いた用量−反応曲線

B 適切な動物種を用いた薬理学的用量における推定曝露量


ヒトにおける有害作用の発現を回避するために,安全係数を適用して,MABELから初回投与量を設定する場合には,被験薬の新規性,生物学的活性,作用機序,被験薬の種特異性,用量作用曲線の型等を踏まえ,適切な安全係数を設定すべきである.

ヒトへの初回投与量を設定する上で,NOAEL,MABEL等の設定根拠の違いにより異なる値が得られた場合は,科学的根拠に基づいて初回投与量を決定する.

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どひゃ〜〜! 難しい言葉が羅列されている!!と、思った、そこのあなた!そう、あなたです。

難しい言葉が出てきたら、ネットで検索するなり、社内の適切な人に質問して、今すぐ、疑問を解決してくださいね。


以下の内容も確認してください。
   ↓
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日本における初回投与量の設定

▼非臨床試験で最も感受性の高かった動物の50%致死量(50%lethaldose:LD50)の1/600以下

▼最大無毒性量(no observed adverse effect level: NOAEL)の1/60*

▼最も感受性の高かった動物の50%有効量(50%effectivedose:ED50)の1/60

▼推定臨床用量の1/20〜1/10

▼最小有効量の1/5以下

▼類似同種同効薬の場合は、その治療量の1/10〜1/5

*安全係数:動物とヒトでのサイズ、組織感受性の差、代謝の差から想定される

*NOAEL:有害作用が検出されなかったもっとも高い量である。
統計的に有意、あるいは統計的に有意でなくとも、臨床的に有意であるかもしれない。
  ↓
「日本における初回投与量の設定」



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2012年04月15日

ヒト初回投与試験の安全性を確保するためのガイダンスについて

今週は「医薬品開発におけるヒト初回投与試験の安全性を確保するためのガイダンス」について見ていきます。
    ↓

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「医薬品開発におけるヒト初回投与試験の安全性を確保するためのガイダンス」が出されました。

「医薬品開発におけるヒト初回投与試験の安全性を確保するためのガイダンス」のQ&Aが出ました。

「医薬品開発におけるヒト初回投与試験の安全性を確保するためのガイダンス」のパブリックコメントと回答が出ました。

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医薬品開発におけるヒト初回投与試験の実施に当たって、その安全性を確保するために出されたガイドラインが「医薬品開発におけるヒト初回投与試験の安全性を確保するためのガイダンス」です。

ちなみに、この「ヒト初回投与試験」とは、人類初の投与試験が日本で行われる場合を指しています。

「日本人」として初めてではなく、「人類初」(と言うことは必然的に「日本初」とも言えるのですが・・・・・・)です。

くどいようですが、これ(人類初)が結構、大事。

人間に初めて投与する治験は相当なリスクがありますからね。


そこで、この「医薬品開発におけるヒト初回投与試験の安全性を確保するためのガイダンス」の目的ですが、「被験者リスクを低減するための考え方を示すもの」です。

ね?

あくまでも「リスクの低減」を目的としています。

そりゃそうだよね。

動物実験から人体への実験に移る、とてもデリケートで危険な臨床薬理試験だから、「安全性の確保」が最重要課題になるよね。 



本ガイダンスは,被験薬の非臨床試験及びヒト初回投与試験を計画する際,考慮すべき『リスク要因』を治験依頼者及び治験の実施に係る業務に携わる者等に例示することにより,被験者の安全性を確保するためのものです。

ここで大事なことがこれ⇒「考慮すべきリスク要因」

どんな「考慮すべきリスク要因」があるのでしょうか?

ガイドラインにはこうあります。
  ↓
■■■■■■■■■■■

3.1 リスク要因

被験薬の重篤な有害作用発現の可能性を予測するには,リスク要因を特定する必要がある.

1)作用機序

2)標的分子(作用部位)の特性

3)モデル動物の妥当性

・・・・・・・について十分な情報が欠如している場合, あるいはヒトへの安全性予測が困難な場合には, ヒト初回投与時におけるリスクが増大する.

従って, 治験依頼者はヒト初回投与試験に関する以下の各項目について,被験薬ごとに検討しなければならない.

■■■■■■■■■■■

そりゃそうだ。

以前、人類初の治験(ヒトに対する初回投与)で、とんでもない事故が起こりました。

イギリスでの治験です。

「TGN1312 治験」で検索すると、この事故(事件?)が分かります。

たとえば、「臨床試験で6人全員がICUに入院」
  ↓
「臨床試験で6人全員がICUに入院」


このイギリスでの治験の記事を見て、当時は本当にびっくりしました。

こういうことが二度と起こらないように、本ガイダンスが必要なんですね。



さて、当然ながらリスク要因は「被験薬(治験薬)ごとに」検討する必要があります。


そこで検討すべき項目は以下のとおりです。
  ↓
■■■■■■■■■■■

3.1.1 被験薬の作用機序

3.1.2 標的分子の特性

3.1.3 非臨床試験における動物モデルの妥当性

■■■■■■■■■■■

大きく言って、この3つの項目を十分に検討する必要があるわけですね。


被験薬(治験薬)の主薬理作用及び副次的薬理作用を理解するためには,想定される作用機序に関する知見を検討することが重要です。

どのような作用機序で体内で働くのか、ここをしっかりと押さえていないと、思わぬ重大な副作用が発生するかもしれません。

さらに「被験薬が複数の活性部位と結合する場合は,それぞれ単独の活性部位では認められない作用が発現する可能性も考慮すべきである」と、警告を発しています。

さて、その作用機序にからめてのリスク要因の分析ですが、作用機序に関連するリスク要因を検討する際には,以下について配慮することが必要です。
 ↓
■■■■■■■■■■■

@ 関連する作用機序を持つ化合物を過去にヒトへ曝露した際の安全性

A 動物モデル(トランスジェニック又はノックアウト動物を含む)における,主あるいは副次的薬理作用による重篤な毒性リスクの有無

B 有効成分の分子構造に関する新規性

■■■■■■■■■■■

だんだん、難しい話になってきましたね。

でも、難しいからと言ってここを飛ばしてしまうと危険です。

なにしろ世界で初の構造を持った化合物を、人類に初めて投与するのですから、いろんなところから情報を引っ張ってきて、治験参加者に万が一がないようにしないとね、いけません。


ちなみに、臨床薬理試験(昔の言い方でいうとフェーズ1)までは、「創薬・基礎研究部」が行い、探索試験(フェーズ2)から「臨床開発部」が行う、という会社もあります。

それだけ、実はフェーズ1とフェーズ2の間には大きな溝があるんですね。

知ってました?

ところで、もし、分からない言葉が出てきましたら、すかさず、ネットで検索してみましょう。

その時のコツは「●●●とは」というように、検索したい言葉に「とは」をつけて検索することです。

たとえば、「トランスジェニック動物」という言葉を調べたいなら、「トランスジェニック動物とは」というようにです。

では、また、明日。






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