2012年03月31日

治験活性化に関する検討:どのようなことが検討されたのか?

今週は2012年3月23日に開催された下記の資料「治験活性化に関する検討」について考えていきたいと思います。


第7回臨床研究・治験活性化に関する検討会 資料

まず、文部科学省・厚生労働省から提示された「臨床研究・治験活性化5か年計画2012(案)」です。

この「臨床研究・治験活性化5か年計画2012(案)」を読んだ、全体的な感想ですが、「本当にこのとおりにうまく進んだら、とってもいいいぞ!」というものです。

もちろん、課題は山積みなのですが、着実に進めていくことが絶対に必要だと思います。

では、この「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」で述べられているものは何か?

それは下記のとおりです。



■■■■■■■■■■■■

T.臨床研究・治験活性化に関するこれまでの経緯と今後の方向性 .

1.臨床研究・治験活性化に関するこれまでの経緯

(1)臨床研究・治験活性化計画の策定の経緯

(2)現5カ年計画の中間見直し

2.今後の臨床研究・治験活性化の方向性

(1)臨床研究・治験活性化5か年計画2012 の検討

(2)今後の臨床研究・治験活性化の方向性

■■■■■■■■■■■■

・・・・・・・・というように、まずは、これまでの「治験活性化5ヶ年計画」の振り返りですね。

かなりいい線までいきました。

統一書式ができたり、医師主導型の治験が増えたり、治験拠点病院が頑張ってくれたりして頂き、「治験はこのままではいかん!」という機運を盛り上げて頂きました。


平成15 年4 月に文部科学省と厚生労働省は共同で「全国治験活性化3カ年計画」(以下「3カ年計画」という。)を策定し、下記の項目を重点的に検討しました。

@治験のネットワーク化の推進

A医療機関の治験実施体制の充実

B患者の治験参加の支援

C企業における治験負担の軽減

D臨床研究全体の推進



たとえば、治験ネットワークは、日本医師会、治験促進センターの「大規模治験ネットワーク」や各地の治験ネットワークが立ち上がりました。

しかし、立ち上がったのはいいですが、課題も残りました。

特に患者さんの治験への参加が(集積性)が課題としてあがっています。


途中で「治験活性化5ヶ年計画」も見直されて、平成19 年3 月以降は、以下の項目に重点がおかれました。

@ 治験・臨床研究を実施する医療機関(治験中核病院、拠点医療機関等)の整備

A 治験・臨床研究を実施する人材の育成と確保

B 国民への普及啓発と治験・臨床研究への参加の促進

C 治験の効率的実施及び企業負担の軽減

D その他の課題(GCP 省令の見直し等)


この中でも、僕が一番、賞賛に値すると思うのは「C 治験の効率的実施及び企業負担の軽減」です。

以前、「医薬品ができるまで(治験に関する話題)『2012年02月03日:治験業界は確実に変わりつつある。』」でも取り上げましたが、今までモニターが治験責任医師や治験事務局がやるべき仕事(主に資料の作成等)の仕事を肩代わりしていたのですが、そういうものを施設側でちゃんとやりましょうよね、ということが取り上げられている。

うれしい限りです。




さて、では、今後はどうなるのか?


「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」では次のようなことを取り上げています。



■■■■■■■■■■■■

U.臨床研究・治験活性化5か年計画2012

1.9年間の活性化計画を踏まえた更なる飛躍と自立

(1)症例集積性の向上

(2)治験手続の効率化

(3)医師等の人材育成及び確保

(4)国民・患者への普及啓発

(5)コストの適正化

(6)IT技術の更なる活用等

■■■■■■■■■■■■


僕が今後も特に力をいれるべきは「症例集積性の向上」だと思います。

日本の治験はとにかく遅い!

その一番の理由は「創薬ボランティアの治験への登録」です。

欧米や韓国などでは1施設(病院)で、20例、30例はあたりまえのように創薬ボランティアを登録していますが、日本では、4例、8例、という感じですからね。

このあたりは、今後の治験ネットワークに期待したいところです。




さらに「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」では次のことも検討されています。


■■■■■■■■■■■■

2.日本発の革新的な医薬品、医療機器等創出に向けた取組(イノベーション)

(1)臨床研究・治験の実施体制の整備

@ それぞれの拠点等の位置づけの明確化と質の高い臨床研究等の推進

A 必要な人材の育成



(2)臨床研究等における倫理性及び質の向上

@ 「臨床研究に関する倫理指針」の改正(平成25 年目途)における検討

A 質の高い臨床研究の実施促進と被験者保護の在り方

B 治験審査委員会の治験の高度化への対応等



(3)開発が進みにくい分野への取組の強化等

@ 小児疾患、希少・難治性疾患等への取組

A 医療機器・先端医療への取組

B 資金提供等

C 制度等



(4)大規模災害が発生した際の迅速な対応

@ 被験者の安全確保等

A データの信頼性確保等

■■■■■■■■■■■■


上記のことで、僕が最も期待したいのは「小児疾患、希少・難治性疾患等への取組」です。

先日、「「オーファン治験ウェブ開設(希少疾病治験ウェブ)」(独立行政法人 医薬基盤研究所)」というサイトも立ち上がりました。

まだ、登録されている病気は少ないですが、ここが充実すると、希少疾患の患者さんが助かると思います。

サイトは立ち上げたけれど、なかなか更新されない、ということが多いですからね。

注目していきましょう。


ちなみに厚労省が立ち上げている「「治験ホームページ」」は、ちょっと、かなり貧弱。

もう少し治験の情報をタイムリーに公開して欲しいですよね。

たとえば、上記のサイトに「統一書式」のページがあるのですが、そこにはこんな記載しかありません。

**************

○ 統一書式に関する通知 平成19年12月21日付 医政研発第1221002号「治験の依頼等に係る統一書式について(通知)」

**************



あのさ、統一書式に関する通知の最新通知を知っているの?

「平成24年3月7日 医政研発第0307第1号・薬食審査発0307第2号「新たな「治験の依頼等に係る統一書式」について(通知)」」なんですけれど・・・・・・。

通知を出している当の厚生労働省の「治験のホームページ」に載っている通知が時代遅れ(5年前の通知)、というのは、どうよ?








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2012年03月30日

「これ、どうするの?」(治験依頼者のスタンスを決める)

昨日までホーライ製薬で、「これ、どうするの?」という項目(日本の治験の課題)を提示したけれど、とりあえず、製薬会社(治験依頼者)としては、統一された見解、スタンスが必要だと思うんだよね。

でも、僕が知っているある製薬会社では、GCPが改定されたり、GCP運用通知が出されると、このGCPの改定文や運用通知で、何が課題か? ということまではみんなで話あうけれど、じゃぁさ、うちの会社としてどう考えるの?というとこまで話を詰めないらしい。

で、現場で最終的に何をするかは、個々のモニターに任されている、というわけだ。

たとえば、同じプロトコルで治験を担当しているA君とB君が、異なった行動をするということもある。

A君はX病院に対して「検査機器の保証書を見せてください」というけれど、モニターのB君はY病院に対して「検査機器の定期点検書を見せてください」なんていうこともあるとのことだった。


これじゃ、可哀そうだよね、現場のモニターは。(それに対応する医療機関側も)


これってさ、やっぱり、製薬会社(治験依頼者)が「うちとしては、検査機器の精度管理としては操作SOPとバリデーション記録を確認することとする」という統一見解が決めるべきだよね。

当局や製薬協の見解を待っているだけじゃなく、「うちとしてはこれで正しいと思う。だから、モニターのみんな、こうしてね」という決定とアクションが必要だ。

もし、あなたの会社が「会社としての見解、ポリシー、スタンス」を決めてくれないなら、「決めてください!」メールを責任者(事業部長とか)に送ってやろう。

その時には社長をCCに入れることを忘れないでね。







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2012年03月29日

「これ、どうするの?」(ICH-GCPとJ-GCPとの乖離)

GCP運用通知が昨年の10月に通知されたけれど、その中で、「協力者リスト」を医療機関の長は「了承する」となった。

それまでは「協力者リスト」を使って医療機関の長が「指名」するとなっていた。

これでは、協力者リストの医療機関の長に協力者リストを提出するということには変わりなく、ただ文字が「指名する」から「了承する」になっただけだ。(違う?)

そろそろ、医療機関の長のお手を煩わせるのはやめない?(協力者リストだけでなく。)

ご存じのようにICG-GCPでは「医療機関の長」は出てこない。


さらに、治験の契約書に「症例数」の記載もやめない?

これがあるから、8例で契約したけれど、予想以上に症例が入ってくると、契約を再度、結び直して「16症例」としたりする。

これが意外と手間と時間がかかる。

はじめから契約書に症例数を記載しなければ、こういうことは起きない。

症例が集められる施設ではがんがん登録してもらえるようにしたい。

その時に契約書をあらたにする、というステップを外してくれると、すごくやりやすい(手間と時間がかからない)。

契約書の項目から「治験責任医師の職名」、「治験分担医師名」、「目標とする症例数」を削除するだけでも企業と医療機関の作業量莫大に減ります、というわけだ。
  ↓
http://tinyurl.com/886uqtn




あとさ、日本で実施する治験のCRFは全て英語でやらない?

そうすれば、あとでFDAに治験のデータを申請に使うときも、スムーズにいく。


ところで、サンプリングSDVやリモートモニタリング、リモートSDVをあなたの会社ではいつから実践に移しますか?

何が足かせになって、サンプリングSDVができないのでしょうか?


●サンプリングSDV
   ↓
http://tinyurl.com/84yasda



●リモートSDV
   ↓
http://tinyurl.com/7mfgdcl



これ、どうするの?





■■■ 医薬品ができるまで(治験に関する話題) ■■■
   ↓
医薬品ができるまで(治験に関する話題)


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2012年03月28日

「これ、どうするの?」(検査機器の精度管理を確認はどうするの?)

2011年10月24日の「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」の運用(厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)についてに以下の文がある。



■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

治験に係る検体等の検査機関において、検査が適切に実施されて、治験に係るデータが信頼できることを保証するため、治験依頼者又は自ら治験を実施する者は、当該検査機関における精度管理等を確認することとした。
(医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成9年厚生省令第28号。以下「GCP省令」とう。)第4条第1項、第15条の2第1項

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■




例の「検査機器の精度管理を確認する」というものだね。


ところで、これって、どうするの?

例えば製薬協の治験119には以下の記載がある。




■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


■質問番号:2011-34 検査機関における精度管理等を保証する記録

●●●●● 質問 ●●●●●

GCPの運用通知が改正され、「治験に係る検体等の検査機関において、検査が適切に実施されて、治験に係るデータが信頼できることを保証するため、治験依頼者又は自ら治験を実施する者は、当該検査機関における精度管理等を確認することとした。」との記載がありますが、これに対して医療機関側が対応するべき具体的な項目(内容)を教えていただけないでしょうか。



●●●●● 製薬協の見解 ●●●●●

ご質問の内容はGCP第4条第1項運用通知4として改正されたものですが、治験依頼者又は自ら治験を実施する者が確認すべき当該検査機関における精度管理等の具体的な内容及び項目等については規定されておりません。

ICH GCPでは、8. ESSENTIAL DOCUMENTSとしての8.2.12及び8.3.7に「To document
competence of facility to perform required test(s) , and support reliability
of results」(必要な検査設備の適格性と検査成績の信頼性を裏付ける)を目的とした文書が掲げられており、ここにはcertification(証明書)、accreditation(合格証)、established quality control and/or external quality assessment(確立された品質管理及び/又は外部機関による品質評価)、other validation(where required)(その他の検証(必要な場合))が例示されています。

従いまして、検査設備の適格性と検査成績の信頼性を裏付けることのできる文書及び記録等を準備しておいていただき、治験依頼者又は自ら治験を実施する者に提供又は閲覧等に供していただければと考えます。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■



長々と回答しているが要は「必要な検査設備の適格性と検査成績の信頼性を裏付ける)を目的とした文書が掲げられており、ここにはcertification(証明書)、accreditation(合格証)、established quality control and/or external quality assessment(確立された品質管理及び/又は外部機関による品質評価)、other validation(where required)(その他の検証(必要な場合))」ということだね。

この見解を読むと以下の書類のどれかが必要のように読める

1)certification(証明書)

2)accreditation(合格証)

3)established quality control and/or external quality assessment(確立された品質管理及び/又は外部機関による品質評価)

4)other validation(where required)(その他の検証(必要な場合)



一方で、上記の運用通知に対して「パブリックコメントの質問事項と当局の見解」では下記のようなQ&Aがある。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


●「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」の運用についてのパブリックコメント(1〜2ページ目)
     ↓
http://tinyurl.com/6upyrzv



●検査機関の精度管理等を保証する記録の確認(第4 条及び第15 条の2 関係)

★御意見の概要

ICH-GCP の"Essential Documents 8.2.12"に規定されている「医学的検査、臨床検
査等に関する、-証明書、-合格証、-確立された品質管理及び(又は)外部機関に
よる品質評価、-その他の検証(必要な場合)」を、必要な検査設備の適格性と
検査成績の信頼性を裏付けるために、「治験に係る文書又は記録について」
(平成19 年10 月2 日 薬食審査発第1002002 号)に規定すべきではないか。


★理由

グローバル治験では、ICH-GCPで求められる"EssentialDocuments"は当然求められる。
運用通知に「検査機関の精度管理」を追記した機会に、「治験に係わる文書又は記録」にも規定
してICH-GCP と整合性をとるべきと考える。


★回答(案)

精度管理等を保証する記録等の確認を求めたものであり、確認の方法は治験依頼者又
は自ら治験を実施する者と実施医療機関が取り決めるものだと考えます。



■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■



上記の「御意見の概要」を読むとICH-GCPで規定されている下記の文書を「治験に係る文書又は記録について」に規定すべきではないかということだ。

A)医学的検査、臨床検査等に関する、-証明書

B)医学的検査、臨床検査等に関する、-合格証

C)医学的検査、臨床検査等に関する、--確立された品質管理及び(又は)外部機関による品質評価

D)医学的検査、臨床検査等に関する、--その他の検証(必要な場合)



上記のA)〜D)の文書はまさに、製薬協の「治験119」の見解にある1)〜4)を指していると読める。

だけど、この意見に対して当局の回答(案)では、「精度管理等を保証する記録等の確認を求めたものであり、確認の方法は治験依頼者又は自ら治験を実施する者と実施医療機関が取り決めるものだと考えます。」とあるので、意見にあったA)〜D)(つまり製薬協の1)〜4))の文書までは求めていない、というようにも読める。

つまり、製薬協の見解と当局の回答(案)と違うってこと?

どう思う?

これって、どうするの?

寝ている子を起こすようで悪いけれどさ。

製薬協の治験119の見解はあくまでも「例示」であり、必須とは考えないでね、ということ?

重箱の隅をつついて、さらに、大きなお世話だけどさ。


ちなみに、もし治験のプライマリーエンドポイントが「血圧の低下」となっている場合、「血圧計」の精度管理を確認する必要があると思うけれど、これって具体的には何を見ればいいの?






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2012年03月27日

「これ、どうするの?」(プロトコル別冊のモニターの氏名は誰を書くの?)

質問1

運用通知のGCP省令第7条の運用通知にこう(↓)記載されています。(運用通知の12ページ目)

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

また、一の治験実施計画書に基づき複数の実施医療機関に対して治験の依頼をし
ようとする場合において、実施医療機関の名称及び所在地、治験責任医師となる
べき者の氏名及び職名並びに各実施医療機関を担当するモニター(モニターが複
数である場合にはその代表者)の氏名、職名及び電話番号等については、施設に
特有の情報として、治験実施計画書の分冊として差し支えなく、当該各実施医療
機関の長に対しては、当該分冊のうち、当該実施医療機関に係るもののみを提出す
ることとして差し支えない。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■



さて、この運用通知で言っているのは、まず次の(1)のことです。

(1)多施設共同治験の場合、モニターの氏名などは、その施設に特有の情報として、分冊を作り、その分冊をその施設に提出することでいい、ということ。



つまり、50施設で実施する治験の場合、昔は50施設の全てを網羅するように、担当モニターを全て記載していた。

たとえば、東大病院に提出するプロトコルには、東大を担当するモニターはもちろんのこと、東大を担当しないモニターも全て、プロトコルに記載していたというわけだ。

そこで、今回の運用通知の改定で、上記の(1)を採用したとします。

ここで、素直に(?)考えると、10人のモニターがその治験を担当していても、東大病院を担当するモニターは山田太郎さんだから、東大に提出するプロトコルの別冊にには山田太郎さんの名前を記載しておく、とまぁ、これぐらいならいい。

でも、上記の運用通知をよくよく見ると、こうも書いている(↓)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

(2)「各実施医療機関を担当するモニター(モニターが複数である場合にはその代表者)を書くことでもいい

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


そこで、これを活用すると、東大病院を担当するモニターは複数いるとして考え、その代表者としてとして、モニターのリーダーの名前(臨床部長の「田中一郎さんとしよう)だけを記載する、という技が使えそうだ。

そうなると、全ての医療機関に提出するプロトコルの別冊には臨床部長の田中一郎さんだけを記載する、という手だ。

このメリットは、東大を直接担当する山田太郎さんが都合で担当が変わった場合でも、各医療機関に提出しているプロトコルの別冊には臨床部長の田中一郎さんの名前しか記載されていないので、別冊の改定も発生しない、というメリットがある。

こういう手を使うと、必ず出てきそうなクレームは「じゃ、うちの病院を担当するモニターの氏名や連絡先が分からないじゃないか」というもの。

実際にその病院を担当するモニターの氏名は「治験審査依頼書」の備考欄にも書いておけばいいじゃない? という考えもある。

これって、どうなの?

さらに、監査担当者の記載は不要、ということにもなりそうだけれど、これって、どうなの?




質問2

契約書への治験責任医師の署名/記名・ナツ印は不要になりましたが、治験責任医師が契約書の内容を確認したという確証はどのように担保していますか?

(A)CRAがモニタリング報告書に、「治験責任医師に契約書内容を確認してもらった」と記載するよう指導している。

(B)治験責任医師用のファイルに、契約書のコピーを入れることで確認したこととしている。

如何でしょうか?

これって、どうなの?


***********

統一書式から捺印が不要になった。

さらに、治験依頼書は製薬会社(治験依頼者)ではなく、CROの名前で病院へ申請してもよくなった。

捺印が無くなると「どれが原本でどれが写しか分からないので不安!」という声もある。

もちろん、僕は無駄な作業と無駄な資料を作成するのは大賛成なので、捺印不要も賛成ですし、製薬会社の代わりにCROの名前(捺印無し)で申請するのも賛成です。

はて、さて。

これは、どうなるかな?






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