2012年02月15日

治験の総括報告書作成時の注意点、ポイント(3)治験の目的を書く

ハレ〜「8.治験の目的、というところを書く際に注意する点はある?」

ヨネヤマ「治験の全般的な目的を具体的かつ詳細に書く、ということかな。」

ハレ〜「具体的に言うと?」

ヨネヤマ「主要なエンドポイントと副次的なエンドポイントをこの目的のところに明示することだね。」


たとえば・・・・・・・・

【治験の目的】

●プラセボを対照としたHORAI−Z001のAJOウィルスに対する抗ウイルス作用を検証する。

●エンドポイントは12週間服用後のAJOウイルス抗体量の低下とする。

●副次的エンドポイントは関節痛の改善を検討する。


ハレ〜「それと、場合によっては、検証的な治験においては、申請しようとする効能を表現した帰無仮説を明示するのも手だ。統計のガイドラインを参照してね。」

「臨床試験のための統計的原則」



ヨネヤマ「もちろん、安全性についての記載もしておく」


●HORAI−Z001を12週間投与した場合の有害事象発現率の検証  とかね。


ヨネヤマ「こういうところは、その道の専門家(統計部門等の人)にも参加してもらって記載するといい。」


ハレ〜「総括報告書ガイドラインの9.治験の計画の9.1 治験の全般的デザイン及び計画−記述についてのポイントはある?」

ヨネヤマ「たとえば、図表を活用して視覚的に分かりやすく記載することが何より一番大事だ。」

ハレ〜「そりゃそうだ。それとさ、ガイドラインの中に『この章の記載事項で治験実施計画書に含まれないものは,その内容と情報源を明確にすること。』とあるけれど、これは何を指しているの?」

ヨネヤマ「そうだね、たとえば、治験に参加する医師には知らせない割付の方法(ブロックサイズや最小化の方法)とか、当該領域において確立され文書化された評価方法(抗生物質領域におけるUTI評価基準など)」かな。



ハレ〜「基本的には治験実施計画書に記載されている治験のデザインを分かりやすく書けばいいのね?」

ヨネヤマ「そういうこと。さらに、たとえば新薬臨床評価ガイドラインの●●●を参考にして治験を計画しました、等と言うことも書いておいたほうがいい。」



ハレ〜「総括報告書ガイドラインの9の9.2 対照群の選択を含む治験デザインについての考察というのがあるけれど、これは?」

ヨネヤマ「ここでは、試験デザインの妥当性は被検薬に関する情報だけではなくその他にも利用可能な情報や、記載しておいたほうが審査しやすい情報があったら、それも記載するといい。」

ハレ〜「というか、そもそも治験を開始する前に、これらのことを総合的に勘案して『対照群の選択を含む治験デザイン』を決めなさい、ということだね。」

ヨネヤマ「そのとおりです。」

ハレ〜「他にも、たとえば海外における治験成績とか類似の薬剤における成績や試験デザインなんかも記載したほうがいいかな?」

ヨネヤマ「そうだね。あまり冗長になってもいけないけれど、参考となる情報を簡潔に記載するといい。それと、この治験で、私たちはいったい、どのようにして薬剤の特性を見出すことのどこにフォーカスを当てているのか、というのもポイントだね。」

ハレ〜「つまり、治験の目的と治験デザインで整合性がとれていないといけないってことかな。」

ヨネヤマ「そのとおりです。」


●実薬対照治験とした理由

●対照薬の選択理由

●投与期間を8週間にした理由

たとえば・・・・・・

本剤は薬剤投与開始後、3〜5日で薬物血中濃度が定常状態に達する。

血圧降下作用は、血中濃度に比例して早期に発現するが、安定した血圧コントロールが可能かどうかの判断には8週間(4週間おきに2回)が必要である。

5mg、10mg、20mgと順次増量することで過剰に血圧が低下することを回避できる。

最高用量においても、副作用の発現頻度が高くならないので、2週ごとの来院で安全な治験の実施が可能である。


・・・・・・などを書くといいと思います。







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2012年02月14日

治験の総括報告書作成時の注意点、ポイント(2)被験薬の開発における当該治験の位置づけについて

ヨネヤマ「さてと、総括報告書のガイドラインの7は「緒言」となっていて、ガイドラインには以下のように記載されている。」



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総括報告書のガイドライン 7.緒言

緒言には,被験薬の開発における当該治験の位置づけ及びその開発に関連する当該治験の特に重要な特徴(例えば,実施の根拠と目的,対象母集団,治療法,期間,主要評価項目)についての簡潔な記述(最高1ページ)を含めること。

治験実施計画書の作成の基となったガイドライン,又は当該試験に関して治験依頼者と審査当局との間に交わされた合意事項・会合について,明示又は記述すること。


■■■■■■■■■■■■




ハレ〜「ここの記載はどこがポイントなの?」

ヨネヤマ「治験実施計画書に「開発の経緯」を記載していることが多いと思うけれど、それを緒言に盛り込むといいね。」

ハレ〜「その他の注意点は?」

ヨネヤマ「たとえば、治験実施計画書作成段階で参考とした各種ガイドラインやその他の主要な文献を参考になるなら記載するといい。」

ハレ〜「ふむふむ。例えば?」

ヨネヤマ「たとえば、類似薬の公表論文とか、当該分野の定評のある教科書、大規模疫学調査の報告書をあげると参考になることがある。」

ハレ〜「まずは発見の経緯とか?」

ヨネヤマ「そうそう。よくあるように「本治験薬は、ホーライ製薬所沢研究所においてAJOウィルスのプロテアーゼ阻害薬として合成された●●骨格を持つものである、とかね。」

ハレ〜「フェーズ2の総括報告書なら、フェーズ1の結果も簡潔に書いておくのね。」

ヨネヤマ「そう。その上で、本治験では軽症〜中等度のAJO患者に対して、AJO抗体を指標としたプラセボ対象2重盲検群間比較法による多施設共同治験を実施した、とか。」








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2012年02月10日

治験の総括報告書作成時の注意点、ポイント(1)倫理的配慮について

今週は「治験の総括報告書の構成と内容に関するガイドラインについて」(その2)です。
      ↓
http://www.pmda.go.jp/ich/e/e3_96_5_1.pdf


ヨネヤマ「先週はガイドラインの1.標題ページ〜12.安全性の評価までさっくりと見たけれど、もうちょっと具体的にみていきましょう。」

ハレ〜「総括報告書の中の倫理の項に以下のことを書くようにガイドラインでは指示されているね。」



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5.3 患者への情報及び同意

インフォームド・コンセントが,患者の登録(例えば,割付け時,事前のスクリーニング時)との関係において,いつどのように得られたかを記載すること。


■■■■■■■■■■■■



ハレ〜「ここではどんなことに注意して記載すればいいの?」

ヨネヤマ「治験実施計画書で予備観察期間、ウォッシュアウト期間、プラセボ期間等を設定する場合は、インフォームド・コンセントをどのようなタイミングで実施するのかを明確にする必要がある。」

ハレ〜「たとえば、ウォッシュアウトの期間を設けているような場合、必ず同意取得後にウォッシュアウトを行う、とかね。」

ヨネヤマ「治験実施計画書の記載例としては、たとえば、こんな感じかな。」




■■■■■■■■■■■■

【治験実施計画書での記載例】

●患者への情報及び同意について

治験責任医師又は治験分担医師は治験開始に先立ち、対象となる患者本人に下記の内容(GCP第51条参照)について別に定める文書に基づいて十分に治験について説明し、患者が内容をよく理解したことを確認した上で、本治験の参加について、患者本人の自由意思による同意を、文書にて得ること。

患者本人が同意の能力を欠くと判断される場合には、治験対象としない。

なお、同意取得日及び同意取得の方法(文書で取得)を症例報告書に記入するとともに、同意書の写しを患者に渡すこと。

●患者の同意が得られた後、治験責任医師は定められた方法により、登録センターに患者の一次登録を行う。

●同意取得時の注意

同意は治験を意図した検査や観察等(ウォッシュアウト等)を行う前に必ず取得する


■■■■■■■■■■■■




ハレ〜「なるほどね、。」

ヨネヤマ「そして、事実としてどうだったのかをまとめる。」

ハレ〜「被験者全員が同意に関して問題無ければ、その旨を書けばいいし、万が一、同意取得前に治験が開始された、というようなGCP違反があった場合は、その旨を記載する。」

ヨネヤマ「やれやれだ。」








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posted by ホーライ at 18:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験の総括報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

治験の総括報告書に「解析されたデータセット」について記載する

ちゃちゃ「さて、ここからがキモ中のキモ。『1.有効性の評価』だ。」

黒丸「うん。どのようにキモなの?」

ちゃちゃ「解析に使われたデータの選び方を記載する。」



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1.1 解析したデータセット

有効性の各解析に採用した患者を正確に定義すること。

例えば,治験薬を投与された全ての患者,有効性に関する何らかの観察が行われたか又は一定の最小限の数の観察が行われた全ての患者,治験を完了した患者のみ,特定の時間範囲内に観察が行われた全ての患者,規定された程度に服薬遵守した患者のみなど。


申請者の提案した主たる解析が,たとえデータのそろった患者に限定した部分集団に基づいたものであったとしても,有効性の検証を意図した治験においては,原則として無作為化した(又は組み入れた)全患者の中で何らかの治療中のデータのある全ての患者を対象とした解析を行い,それを追加すること。

有効性の解析から除外した全ての患者,来院時点及び観察データを付録16.2.3の中で一覧表にすること(例として,本ガイドライン別添Yを参照)。また,全ての治療群の全期間にわたって,除外理由も分析すること(例として,本ガイドライン別添Zを参照)。


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ちゃちゃ「ここでは、さらに統計解析のガイドラインも関連してくる。」
         ↓
http://www.pmda.go.jp/ich/e/e9_98_11_30.pdf



黒丸「ね、ひょっとして、統計解析部のヒトって、重要?」

ちゃちゃ「もちろん! そして、原則的にデータがある患者さんの全てのデータを使った解析まで求められている。」




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データのある全ての患者」の解析に用いた患者標本についてのデータを最初に示すこと。

次に,例えば治験実施計画書に基づいた解析,その他の主たる解析に用いられた,例えば遵守状況,合併症・併用療法又は人口統計学的・基準値の特性により限定される他の患者群についてのデータを示すこと。このような患者群を用いるときは,補足的に除外された患者群のデータも示すこと。


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ちゃちゃ「そして、有効性についての解析は次のように規定されている。」




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11.4 有効性に関する成績及び個別患者データ一覧表

11.4.1 有効性の解析

主要な有効性の測定値全て(主たるエンドポイント及び副次的エンドポイント;調査された全ての薬力学的エンドポイント)について治療群間で比較すること。

同様に,各患者におけるリスク・ベネフィットの評価が行われていれば,それらについても比較すること。

一般に,有効性の検証を目的とした試験では,治験実施計画書で計画した解析の結果及び治験中のデータのある患者を全て含めた解析の結果を示すこと。

その解析では,治療間の差の大きさ(点推定)及びそれに伴う信頼区間を示すこと。

また,仮説検定を実施したならば,その結果も示すこと。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■



ちゃちゃ「ここで是非、覚えておいて欲しい解析用語がある。」

黒丸「何?」

ちゃちゃ「それは『FAS』と『PPS』だ。」

黒丸「FASって何?」

ちゃちゃ「FASとは最大の解析対象集団(FAS:Full Analysis Set). Intention-to-treat の原則に可能な限り近づけた被験者集団。」

黒丸「分かりやすく言うとどうなるの?」

ちゃちゃ「治験薬が投与された患者さん、全て、プロトコル逸脱の患者さんも含めてのデータを解析することをいう。」

黒丸「じゃ、PPSは?」

ちゃちゃ「PPSとは治験実施計画書に適合した対象集団. 治験実施計画書に適合した対象集団(PPS:Per Protocol Set)を指している。」




黒丸「なぜ、その2種類のデータ解析が必要なの?」

ちゃちゃ「たとえばさ、実際にはないけれど、治験薬の有効性や安全性に懸念を示すデータがでた患者さんがいるとするじゃない?」

黒丸「うんうん。」

ちゃちゃ「そこで、治験依頼者が、そういう患者さんのデータを「プロトコル逸脱」と偽って、削除して解析するなんていうこともありえる。」

黒丸「なるほど。」

ちゃちゃ「だから、とにかく全ての患者さんのデータ解析(有効性も安全性についても)を提示する必要があるんだな。」

黒丸「へ〜〜!」

ちゃちゃ「さらに安全性のついての記述については以下のように記載されている。」




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12.2 有害事象
12.2.1 有害事象の簡潔な要約
12.2.2 有害事象の表示
12.2.3 有害事象の分析
12.2.4 患者ごとの有害事象の一覧表


12.3 死亡,その他の重篤な有害事象及び他の重要な有害事象
12.3.1 死亡,その他の重篤な有害事象及び他の重要な有害事象の一覧表
12.3.1.1 死亡
12.3.1.2 その他の重篤な有害事象
12.3.1.3 他の重要な有害事象
12.3.2 死亡,その他の重篤な有害事象及び他のいくつかの重要な有害事象の叙述
12.3.3 死亡,その他の重篤な有害事象及び他の重要な有害事象の分析及び考察

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黒丸「なるほど。全ての有害事象を総括報告書に記載する必要があるわけね。」

ちゃちゃ「そういうこと。だからモニターは総括報告書を完成させるために、普段から有効性と安全性のデータを全て集めることになっているし、CRFもそういうデザインになっているわけさ。」

黒丸「モニターの仕事って、あらためて言うけれど、とても、とても、とても、重要なんだね。」

ちゃちゃ「でしょ?」

黒丸「はい。了解。あとは総括報告書のガイドラインと日本製薬工業会(製薬協)が作成した『治験総括報告書作成の手引』(治験の総括報告書の構成と内容に関するガイドライの理解のために):平成9年2月版を読んでみるわ。」

ちなみに『治験総括報告書作成の手引』は非売品で、製薬協にも在庫がないと思うので、知り合いの製薬企業の方に借りるといいと思います。


モニターの人もQCの人も、この際、是非「治験の総括報告書のガイドライン」を読んでおきましょう。

自分がやっている仕事が、どう活かされるかが分かるとモチベーションアップにもつながります。
     ↓
http://www.pmda.go.jp/ich/e/e3_96_5_1.pdf





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2012年02月09日

治験の総括報告書に「統計解析」について記載する

ちゃちゃ「さて、ここからが総括報告書のキモなんだけれど、統計解析についての記載が要求されている。」

黒丸「そりゃそうだ。治験というのはそもそも治験薬が有効かどうかを統計解析するためにやっているんだものね。」




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9.7 治験実施計画書で計画された統計手法及び症例数の決定

9.7.1 統計及び解析計画

治験実施計画書で計画された統計解析及び結果を得る前になされた全ての変更について記述すること。

ここで強調すべきことは,どのような解析,比較及び検定が計画されていたかであり,実際にどのような手法を用いたかではない。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■




黒丸「へ〜〜〜!大事なのは、実際にどのような手法を用いたかではなく、どのように計画されたか、なんだ。」

ちゃちゃ「そこが治験の科学性だ。計画、仮説の設定が大事で、『あと出しジャンケン』のように、都合のいいように解析してはいけない、ということを強調している。」

黒丸「あらかじめ解析の項目と解析方法を計画するって、あたりまえと言えばあたりまえだけどね。」

ちゃちゃ「それと、解析ともリンクしているけれど、『患者の内訳』を詳しく記載するように求めている。」



■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

10.1 患者の内訳

報告書の本文中に,図又は表を用いて,治験に組み入れた全ての患者の内訳を明確にしておくこと。

無作為割り付けした患者数,組み入れた患者数,及び治験の各スケジュール(又は治験の各週・月)を完了した患者数を示すこと。

同様に,無作為割り付け後の全ての中止の理由を治療群及び主な理由(追跡不能,有害事象,服薬遵守の不良など)ごとにグループ化して示すこと。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■




ちゃちゃ「あとで出てくるけれど、治験薬にとって都合のいいデータの患者さんだけを解析してはいけない、ということだ。」

黒丸「なるほど。」

ちゃちゃ「そして、ここで『治験実験計画書からの逸脱』が出てくる。」





■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

10.2 治験実験計画書からの逸脱

治験の組み入れ又は除外基準,治験の実施方法,患者の管理又は患者の評価に関する重要な逸脱について全て記述すること。

本文中で,施設ごとに治験実施計画書からの逸脱について適切に要約し,下記のような分類にまとめること。

−組み入れ基準を満たしていないにもかかわらず,治験に組み入れられた患者

−治験期間中に中止基準に該当するようになったが,中止されなかった患者

−治療方法や用量が不適切であった患者

−禁止されている併用療法を受けた患者

付録16.2.2に,これらの治験実施計画書から逸脱した個々の患者の一覧表を添付し,多施設共同治験においては施設ごとに内訳を示すこと。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■




黒丸「あら〜〜〜〜。施設ごとに逸脱した症例を書くんだ!」

ちゃちゃ「そう。たとえば、●●病院では3例が除外基準違反の治験実施計画書逸脱でした。とかね。」

黒丸「こんなの治験責任医師に見せたら、怒られそう・・・・・・。」

ちゃちゃ「あははは。そうかもね。」






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