2011年11月22日

治験の現状と問題点(2)●治験ネットワークのあるべき姿

ペイン「あのね、『とおとうみ臨床試験ネットワーク』というのが最近設立されたわ。」
  

ZOO(ズー)「設立背景にこんなことが書かれている。」
   ↓
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浜松地域は医師会、医療機関の長年の努力により『浜松方式』と呼ばれる夜間休日救急体制、病院/診療所の医療機能分化や開放型病院など医療連携が進み、良好な医療の提供体制が整えられてきました。

また、治験拠点事業の中で、浜松地域近隣の治験実務者(事務局、CRC)の教育研修が進み、現場レベルでの顔の見える繋がりが構築されています。

このような地域の特長を生かし、わが国でモデルとなるような‘真に機能する’ネットワークを構築を構築し、この浜松(とおとうみ)地域から、新たなエビデンスを発信すること、新薬開発に貢献することを目指しています。

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ペイン「う〜〜〜ん、実に素晴らしい!! 今後の活性化を期待したい。」

ZOO(ズー)「浜松には、ご存知のとおり、聖隷浜松病院と浜松医科大という治験で有名な拠点があるしね。」

ペイン「このネットワークでは治験依頼者から治験の依頼があった場合には、まずセントラルネットワーク事務局が対応し、そして、各病院の病院長がその治験の審議をセントラルIRBに依頼する、というような計画を立てているみたい。」

ZOO(ズー)「この浜松地域では、それぞれの医療機関が近い、という現実的なメリットもあり、出張するモニターは助かるわ。」

ペイン「さらにこんなことまで言われています。」
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最後に強調させていただきたいのは、このネットワークが、国の指示あるいは病院長の指令などトップダウンで構築されたものではなく、CRCをはじめとする治験実務者の方々がこういうネットワークが地域に本当に必要だという熱意から生まれたものであることです。

今後こういうネットワークがうまく活動していくかどうかのKeyになるのは、どのくらい熱意を持った方々が事務局に存在して本当に行動するか、ということだと考えています。

その点でこのネットワークは、本当にやる気のある方々が集まって構築されたネットワークである

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ペイン「ますます、素晴らしい!そうなんだよね。最終的には「熱意」なんだよね。」

ZOO(ズー)「セントラル事務局にセントラルCRCというような方がいらっしゃると、ますます、いいね。」

ペイン「自前のSMOみたいにね。」

ZOO(ズー)「今までにも治験のネットワークはいくつも設立されたけれど、必ずしもうまく機能していない。それが何故なのか、という分析もそろそろ必要だよ。」

ペイン「それになんといっても、患者さんのご理解とご協力を得ないことには治験が進まないという現実を直視して、本気になってこの対策を考えるべきだ。」

ZOO(ズー)「そうそう。治験を実施予定の医療機関が全て記載されている治験届をそろそろ公表してほしいよね。」

ホーライ「僕が5年前に直接、総合機構に電話して頼んだときはダメだったけれど、そろそろ治験届の公表を検討してほしいもんだ。」





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2011年11月19日

治験の現状と問題点(1)●治験のネットワークは効果が出ているか?

★★今回は下記の議事録を参考にしつつ、ホーライの私見も書かれています。★★
    ↓
●「第3回臨床試験・治験活性化に関する検討会 議事録
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001vf5n.html


ペイン「今の日本の治験について、どう思う?」

ZOO(ズー)「これまでも治験の活性化5ヵ年計画などを通じて、関係者がそれぞれ一生懸命に取り組んでいるね。」

ペイン「うん。ICH-GCPが導入されたばかりの頃に比べれば飛躍的に良くなった。」

ZOO(ズー)「たとえば、CRCの数も質も上昇し、今やCRC抜きでは治験が考えられなくなった。」

ペイン「モニターもSDVに慣れてきたし、医療機関も、対応に慣れてきた。」

ZOO(ズー)「そうは言っても、まだ十分でない部分もあるね。」

ペイン「うん。だいぶ良くなってきたけれど、たとえば、本来なら医療機関側や治験責任医師が作成しなければならない資料をモニターが肩代わりしていることがある。」

ZOO(ズー)「今後は、さらに治験実施期間と治験依頼者が過度に依存することなく、それぞれが責任を持って、より良い治験環境・治験実施体制の構築が望まれるわね。」

ペイン「治験中核病院・拠点医療機関にも期待をかけたい。」

ZOO(ズー)「ポスト5ヵ年計画策定に向けて、提言を募集しているみたいだしね。」



ペイン「これまでに各拠点で治験のネットワークが作られてきたけれど、実績は上がったのかしら?」

ZOO(ズー)「統一書式が作られたり、セントラルIRBが設置されたり、ネットワーク間での教育などには成果が出ていると思うな。」

ペイン「うん。でもさ、患者さんの登録がいまいちだと思うけれど。」

ZOO(ズー)「日本では患者さんが全国にいて、一方では治験・臨床試験を実施できる病院は必ずしも全国均一に存在するわけではないからね。」

ペイン「病院や治験管理センター等が中心になるネットワークはうまくいかないのかも。」

ZOO(ズー)「今後は疾患別、領域別のネットワークを考える手もある。」

ペイン「国立成育医療研究センターでは「特定領域治験整備事業ー小児治験ネットワーク」というものをやっているわね。」

ZOO(ズー)「小児治験ネットワークポータルサイト」というサイトがある。」
     ↓
https://pctn-portal.ctdms.ncchd.go.jp/portal/html/main/top/top.htm

ZOO(ズー)「小児治験ネットワークの加盟施設は、協議会の加盟施設27施設から現在構成されていて、北は北海道から南は沖縄まで、全国をまたいだネットワークで、これらの病床数を合算すると、小児病床数は約5,500病床を持つネットワークが誕生したことになる。」

ペイン「それは凄いね。」

ZOO(ズー)「それでも、症例集積性の向上は難しいことだ。どのようにして治験に合致する候補者を検索するかが大きな課題だね。」

ペイン「どの病院にどれぐらいの創薬ボランティアがいるかを登録して検索できるシステムがあるといいね。」

ZOO(ズー)「日本小児総合医療施設協議会では、こんなことも検討されているみたいで素晴らしいわ。」
    ↓
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●小児治験ネットワークの活用

我々の活動のもう一本の柱として、実際に小児の医療現場では、成人用に開発された薬・錠剤などカプセルを剤形変更して、実際にお子さんに飲ませるということが、恒常的に行われているのですが、具体的にこのネットワークの加盟施設を対象に調査させていただき、どういった医薬品がそういう剤形変更されているのか。

種類だけではなくて、いわゆる量、市場データも収集して、それによって製薬メーカーさんに働きかけをして、小児用開発が促進するよう努めていきたいと思っております。

場合によっては医師主導治験、これらの実施の可能性についても、計画をしていくと考えております。

治験・臨床研究の体制整備も当然必要なのですが、それだけではなく、自ら小児医薬品の開発のシーズを提言する。

そういう形で取り組んでいければと思っております。

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2011年11月18日

次世代のリーダーを育てる●リーダーが育つための指導方法

薬作り職人「目の前の仕事だではなく、考え方、貴重なノウハウを教える場合、間髪を入れずに指導することは大事だよね。」

アブラハム「そうね。分かりやすい指導方法だ。」

薬作り職人「特に新入社員や異動後3〜6カ月間、最低限の期待レベルまで到達していない場合はそれでいい。」

アブラハム「うんうん。」

薬作り職人「でも、あまり手取り足とり教えることは、コア人材の開発という点でマイナスになる恐れもある。」

アブラハム「部下を熱心に育てようとするあまり、つい細かいことまで指導したくなるよね。」

薬作り職人「それが行き過ぎると、自主性を損ねたり、アイデアをつぶしかねない。」

アブラハム「そうそう。そういう場合もある。」

薬作り職人「ある程度慣れてきたら、あるいは期待レベルに近づいた社員には、自分で考え、判断する習慣、環境が大事だ。」

アブラハム「マニュアル人間ではダメってことね。」

薬作り職人「コア人材を開発するには報告というよりも、自分から疑問点などをどんどん質問する癖を身につけさせるといい。」

アブラハム「日頃から思考力、判断力を鍛えるために、どこかの段階で細かい指示は控えて、自分で考えたり工夫するように仕向ければいいのね。」

薬作り職人「そのとおり。ただし、ただの野放しでもコア人材は育たない。上司や先輩は部下の行動を観察したり、長所をいっそう伸ばすにはどうしたらよいかを常に考えないといけない。」

アブラハム「コア人材を育てるんだ、という意識が大切ってことね。」

薬作り職人「優れたリーダーが育っていない会社の未来は暗い。」

アブラハム「仕事を楽しむ雰囲気づくりから始めましょう。」




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2011年11月17日

次世代のリーダーを育てる●リーダーが育つための風土

薬作り職人「国立大など高学歴の学生を大量に採用する企業が、必ずしも成功しているとは限らない。」

アブラハム「そりゃそうだ。」

薬作り職人「特に最近は環境変化が激しいため、なかなか予定どおりに昇格しにくくなっている。」

アブラハム「うん。厳しい現実だね。」

薬作り職人「入社時からエリートとして、悪く言えば過保護的に育てられた経営トップが以前よりも減って、エリートとは見られていなかったけれど、厳しい現場にさらされ、苦労しながらトップになった社長が増えている。」

アブラハム「そうでしょうね。」

薬作り職人「企業風土や育成方法は、入社後の社員の成長に大きく関わってくる。」

アブラハム「みんなでよってたかって人材育成している会社もあるし。」

薬作り職人「採用時のよい人材がそのままコア人材になる、といった安易な考えは禁物だ。」

アブラハム「ところで、日本人は和や平等を大切にする国民だよね。」

薬作り職人「そうだね。」

アブラハム「和を乱すことはもちろん、よくも悪くも突出したり、目立つことはあまりよく見られないことも多い。」

薬作り職人「残念ながらね。」

アブラハム「まだまだ、日本企業の中には「出る杭は打たれる」という風土は依然として多いね。」

薬作り職人「トップの方針や総論では杭よ出てこい、の企業が増えてきたけれど、現場の末端では、やっぱり出る杭は打たれる・・・・・・。」

アブラハム「そうなると、特定分野で秀でた社員が退職することになる。」

薬作り職人「コア人材になる人は、ゼネラリストだけではなく、エキスパートの人も多い。」

アブラハム「そういう人の場合、短所にはおおむね目をつむり、長所を伸ばすことに集中しないと専門家は育たないね。」

薬作り職人「研究開発力はすごいけれど、規律性がない、なんていう人は、ひとりで仕事をさせる、研究成果のみを期待するなど、仕事の仕方や期待役割の与え方を考えて、短所を表面化させないよう工夫が必要だ。」

アブラハム「出かけている杭は打たない、あるいは、出る杭をより目立たせる風土が理想的だ。」

薬作り職人「他の社員とは違ったアイデアや行動を出し、どれだけ目立っているかを競い合うほうが活気が出るしね。」






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2011年11月16日

次世代のリーダーを育てる●リーダーが育つための覚悟

薬作り職人「コア人材を開発し、増やし、活かしたいという企業では、(昨日の選択肢の)2つとも後者の選択肢を選ぶよね。」

アブラハム「まぁ、そうでしょうね。」

薬作り職人「多少のデメリットや犠牲が出ても、コア人材を開発するためには、必要なことを徹底するという方針が欠かせない。」

アブラハム「厳しいわね。」

薬作り職人「でも、それぐらいの覚悟がないと、優秀なリーダーは育たないからね。」

アブラハム「そうかもしれない。」

薬作り職人「ただ、人を育てるという意識が高い組織は強いけれど、それだからと言ってコア人材が効率的に開発できるかどうかは別問題だ。」

アブラハム「ふ〜ん。」

薬作り職人「たとえば、コア人材を開発するには多少の偏りや犠牲もやむを得ないという割り切りも必要だ。」

アブラハム「社員はどうすればいい?」

薬作り職人「社員の方には、自分は絶対コア人材になるんだという目標と、チャンスはいくらでもあるという希望を持たせたい。」

アブラハム「見方を変えれば、社員自らできることから実行していくと、コア人材への道が開けやすくなり、全体としても速やかな風土改革が期待できる。」

薬作り職人「ところでさ、よい人材の確保は、全て採用にかかっているとか、よい人材が多いか少ないかは、採用の成否にかかっているといった意見もよく聞くよね。」

アブラハム「確かに、採用は人材確保の入り口であり、よい人材ほど磨けば光る確率が高くなるので、コア人材の開発においても採用の成否は重要な問題だ。」

薬作り職人「だよね。」

アブラハム「特に即戦力となる者の中途採用だけで、新卒採用はしないという企業や、採用がしにくいという事情がある中小企業はなおさらだ。」

薬作り職人「うんうん。やっぱり採用が大事だね。」

アブラハム「でも、よい人材の採用はあくまでも入り口にすぎず、むしろ、コア人材を開発する風土のほうが重要な条件だね。」

薬作り職人「つまり、よい人材の採用は必要条件ではあるけれど、十分条件ではない、ということね。」






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