2011年11月30日

●GCP運用通知の主な改正点(3)

さりさり「GCP運用通知の主な改正点の次は?」

みなみ「3番目として、治験を依頼する際に、今までは「症例報告書の見本」を提出していたけれど、今度から出さなくてもよくなった。」

さりさり「へ〜!そうなの?」

みなみ「次のように記載されている。」

●●●●● GCP運用通知の該当する部分 ●●●●●

治験の依頼をしようとする者又は自ら治験を実施しようとする者が実施医療機関の長に提出することとされている症例報告書の見本については、当該治験実施計画書等を提出することで良いこととした。

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

さりさり「と言うことは、治験実施計画書に症例報告書で収集するデータの項目などが、書かれていればいいのね?」

みなみ「そういうこと。」

さりさり「まぁ、今までも症例報告書の見本を提出していても、あまりIRBでの審査には出てこなかったからね。」

みなみ「ついでに、治験届でも不要になったね。」

さりさり「その次の改正点は?」

みなみ「今まで、治験審査委員会に提出する資料として「治験の費用の負担について説明した文書」というのがあったね。」

さりさり「うんうん。治験の研究費用とか負担軽減費を提出していたけれど。」

みなみ「その文書というのが明確になって、今後は、原則として被験者への支払に関する資料であることとした(被験者への支払がある場合に限る。)となった。」



●●●●● GCP運用通知の該当する部分 ●●●●●

GCP省令第10条第1項第6号に定める「治験の費用の負担について説明した文書」及び第15条の7に定める「治験の費用に関する事項を記載した文書」について、原則として、被験者への支払に関する資料であることとした(被験者への支払がある場合に限る。)。
ただし、治験審査委員会は必要と認める場合、治験依頼者から支払われることが予定されている治験費用又は自ら治験を実施する者が確保する治験費用に関する資料の提出を求めることができることとした。

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●


さりさり「なるほど。じゃ、Ph−1におけるボランティアに対する謝礼とか患者さんに払う「負担軽減費」に関する資料を提出すればいいのね。」

みなみ「原則としてね。そうなった。」



さりさり「ほかの改正点は?」

みなみ「CROやSMOも必要に応じて治験に関する資料を保存し、求められた場合は、監査や総合機構に提示することが求められるようになった。」

さりさり「なるほど。」


●●●●● GCP運用通知の該当する部分 ●●●●●

開発業務受託機関が受託した業務に関し、作成した保存すべき文書又は記録(データを含む。)については保管しなければならないこと及び監査等の調査時において直接閲覧に供さなければならないことを明確化することとした。(第12条、第15条の8第1項、第30条第2項、第39条の2)

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●


さりさり「まぁ、妥当だね。」

みなみ「CROが保存する資料は治験依頼者とCROの契約で、また、SMOが保存する資料は医療機関とSMOとの契約等で明確にしておかないといけないね。」









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2011年11月29日

●GCP運用通知の主な改正点(2)

さりさり「で、GCP運用通知の主な改正点の次は?」

みなみ「次は、プロトコルに記載する施設固有の情報の記載方法についてだね。」

●●●●● GCP運用通知の該当する部分 ●●●●●

治験実施計画書に記載すべき実施医療機関の名称及び所在地、治験責任医師となるべき者の氏名及び職名並びに実施医療機関を担当するモニターの氏名、職名及び電話番号等について、治験実施計画書の分冊とし、実施医療機関の長には、当該実施医療機関に係るもののみを提出することで良いこととした。(第7条第1項、第4項及び第5項、第15条の4第1項及び第4項、第31条第2項)

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●


さりさり「これは、具体的に言うと、どういうことなの?」

みなみ「もともと、治験実施計画書には治験責任医師の一覧表とか、モニターの氏名等が記載されていたよね?」

さりさり「そうね。治験の実施体制ということでね。」

みなみ「そこで、たとえば、東大病院に治験を依頼する。その時に東大に提出する治験実施計画書の別冊には東大を担当するモニターの氏名を記載したものを提出すればよくて、慶応大病院を担当するモニターの氏名は不要ということだね。」

さりさり「もし、東大を担当しているモニターが変更になった場合は?」

みなみ「その時は、東大に提出している別冊の改訂だけすればよくて、慶応大へ提出しているプロトコルの別冊は、当然、改訂は不要となる。」

さりさり「そりゃそうだ。」

みなみ「それと、モニターが複数の場合は、代表者の氏名だけでも良くなった。」



●●●●● GCP運用通知の該当する部分 ●●●●●

一の治験実施計画書に基づき複数の実施医療機関に対して治験の依頼をしようとする場合において、実施医療機関の名称及び所在地、治験責任医師となるべき者の氏名及び職名並びに各実施医療機関を担当するモニター(モニターが複数である場合にはその代表者)の氏名、職名及び電話番号等については、施設に特有の情報として、治験実施計画書の分冊として差し支えなく、当該各実施医療機関の長に対しては、当該分冊のうち、当該実施医療機関に係るもののみを提出することとして差し支えない。

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●



さりさり「でも、医療機関は、自分のところに来るモニターを特定したいよね?」

みなみ「そうだね。だから、次のようにパブリックコメントでは回答している。」


●●●● パブリックコメントの回答 ●●●●●●●

なお、記載されたモニター以外のモニター及び監査担当者が診療録の閲覧等を行う場合は、モニター等の氏名等を当該医療機関が把握できるようにすること。

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●



さりさり「なるほど。でもさ、GCPでは治験責任医師間の連絡が容易であること、って規定されていたから、治験責任医師の一覧表を治験実施計画書の別紙で必要じゃないの?」

みなみ「いや。それも不要となった。なので、パブリックコメントの回答には以下のように記載されていた。



●●●● パブリックコメントの回答 ●●●●●●●

他施設の治験責任医師の情報について、実施医療機関の長への提供は不要です。治験責任医師の間の連絡・連携については適宜調整していただきたい。

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●


さりさり「適宜、調整ってことね。」

みなみ「そうだね。治験責任医師間の連絡は治験依頼者が介在して、調整すればいいってことだ。」






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2011年11月26日

●GCP運用通知の主な改正点(1)

★★今回は下記の「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」の運用について((平成23年10月24日薬食審査発1024第1号))に基づいて記載するとともにホーライの私見を述べています。★★
    ↓
http://www.jmacct.med.or.jp/report/files/gcp111024.pdf


さりさり「じゃ、今回の運用通知の主な改正点について、順に見ていきましょう。」

みなみ「まずは、治験に係るデータの信頼性について確認を求めるられるようになったわね。」


●●●●● GCP運用通知の該当する部分 ●●●●●

治験に係る検体等の検査機関において、検査が適切に実施されて、治験に係るデータが信頼できることを保証するため、治験依頼者又は自ら治験を実施する者は、当該検査機関における精度管理等を確認することとした。(医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成9年厚生省令第28号。以下「GCP省令」という。)第4条第1項、第15条の2第1項)

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●



さりさり「で、具体的にはどうすればいいの?」

みなみ「実は、具体的な方法はGCP等では規定されてない。」

さりさり「じゃ、どうするの?」

みなみ「パブリックコメントには次のように記載されていた。」




●●●● パブリックコメントの回答 ●●●●●●●

精度管理等を保証する記録等の確認を求めたものであり、確認の方法は治験依頼者又は自ら治験を実施する者と実施医療機関が取り決めるものだと考えます。

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●



さりさり「と言うことは、ケースバイケースで考えなさい、ということね。」

みなみ「まぁ、そうなる。でも、たとえば、臨床検査を一括して、外注先で検査を行う場合、その検査機関がなんらかの精度管理や品質保証をやっていることが認められるような場合、その外注先の精度管理でいい。」

さりさり「どういうこと?」

みなみ「たとえば、外注先がエスアールエルだった場合、下記のようになっている。」


●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

臨床検査における測定値の信頼性を保証するために精度管理体制を導入し、精度の向上を図って参りました。

八王子ラボラトリー群では、臨床検査室の国際規格であるISO15189「臨床検査室−品質と能力に関する特定要求事項」が発行された2003年より規格が求める内容を理解し品質保証システムの構築に取り組んで参りました。
2005年12月には、公益財団法人 日本適合性認定協会の臨床検査室認定を取得し、継続的に品質の向上に取り組んでおります。

また、八王子ラボラトリー群をはじめとするSRLグループの主要ラボラトリーは、権威ある精度保証認定機関である米国臨床病理医協会(CAP:College
of American Pathologists)の施設審査基準認定を取得しています。

詳細はこちら
  ↓
http://www.srl-group.co.jp/srl/activity.html

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●


みなみ「なるほど。そうなると、臨床検査を一括して外注している場合は、モニターが個々の病院での精度管理は不要になるわけね。」

さりさり「まぁ、そういうことだね。」

みなみ「外注していない場合は?」

さりさり「あとは、一般論で言えば、検査機器のバリデーションをしているとか、保守点検の記録を調べるとか、検査の時のキャリブレーションの方法を確認するとか、まぁ、その検査に応じて治験依頼者が考えることになる。」

みなみ「はいはい。考えますね。」







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2011年11月25日

治験の現状と問題点(4)●治験の完全なる自立

ペイン「その他にもざっと、以下のようなことが最近、検討されている。」


**************

●今後の臨床研究の推進にあたっては、トランスレーショナルリサーチ、早期・探索的臨床試験等のより初期段階の試験、および主に市販後に行われるエビデンスを構築するための大規模臨床研究を重点的に推進する方向に向かっており、それぞれのあり方についてどう考えていくべきか。

●グローバル臨床研究において、日本がリーダーシップを発揮できる研究(シーズ)や実施体制をどのように育て、進めていくべきか。

●新規医薬品あるいは機器を市場に出すための開発戦略をいかに構築していくべきか。

●大規模臨床研究の実施と同様に、実際の臨床に即した評価を行える体制をどう考えるか。

●疾患レジストリーについて、どう考えるか。

●臨床研究の実施体制の効率的な運用として、共用データセンターについてどう考えるか。

●臨床研究の統合・調整組織の必要性について、どう考えるか。

●臨床研究の支援組織(ARO等)の必要性について、どう考えるか

**************

ZOO(ズー)「う〜〜〜ん、どれも重要だね。」

ペイン「さらに、倫理委員会の重要性も強調されている。」

ZOO(ズー)「“倫理”委員会というから、倫理に重きを置くかもしれないけれど、本来、科学的でない臨床試験は倫理的でない、ということなので、今後は倫理委員会にも医学・薬学・統計などの専門委員を補充していったほうがいい。」

ペイン「ところで、治験の活性化についてはもう9年間も税金を使ってやっている。それを考えると、もう準備段階は終わっていないといけない。」

ZOO(ズー)「そうね。概ね、準備段階は終わっていると思う。」

ペイン「だから、企業で言うなら、OJTの期間に入っていないといけない。」

ZOO(ズー)「いつまでも制度作りとか箱モノを用意するとでは、ダメだね。」

ペイン「まずは実践あるのみ。」

ZOO(ズー)「それとさ、未だに治験費用を前納させて、症例ゼロでも返却しない「独禁法違反」のような施設を撲滅させて欲しい。」

ペイン「まるで江戸時代だよね。」



ZOO(ズー)「ところでさ、ここの発言が興味深い。」
     ↓
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質問「完全自立」とか「完全解決」という、「完全」というのが非常に気になるのですけれども、この完全というのは何か強調するために使っているのでしょうか。
完全にやられたらもう後は何も問題がないのでしょうか。
ちょっと、その完全の意味合いを教えてください。」

回答「今回のポスト5カ年計画の3つの柱の中の1つ目で、「9年間の活性化計画を踏まえたさらなる飛躍と自立」の中で、完全自立と完全解決と使っております。
平成15年度から厚生労働省と文部科学省と共同で全国治験活性化3カ年計画、1年の移行期間を経て、新たな治験活性化5カ年計画の合計9年間は、主には後期の治験の実施体制を強化することに重点をおいて取り組んできました。
今回この5カ年計画が終了しまして、ポスト5カ年という形で新たな活性化計画を立てていくわけですが、次のときには、治験に関してはすでに9年間の実績がありますから、これを活かして、医療機関あるいは研究機関と企業の間できちんと残った問題をご自身たちで解決してほしいという意味合いで使っています。


質問「ということは、もう国はかかわらないということですね。これ以降はもう国はかかわらないから、しっかりやれということですね。それが、完全ということなのですね。」

回答「それぐらいの勢いで次のポスト5年計画は取り組んでいきたいと考えております。」


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ペイン「うん。製薬業界も治験業界もいつまでもお上頼りでいるのではなく、自立してやっていかないとね。」

ZOO(ズー)「みんなが知恵を力を合わせて、ね。」

ホーライ「・・・・・・等と言いつつ、僕も「医薬品ができるまで」を立ち上げてから11年、「ホーライ製薬」を立ち上げてから8年。そろそろ自立しないとね。」

ペイン「え? 自立って、どういう意味?」

ホーライ「意味はない。かっこいいと思ったので使ってみただけ・・・・・」

デーモン部長「コラー!」





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2011年11月24日

治験の現状と問題点(3)●治験の促進の課題

ペイン「治験が進まない理由のひとつに、医師のモチベーションというか意識の問題もある。」

ZOO(ズー)「日本では基礎研究に重きが置かれていて、臨床試験はあまり実績として認められないという学会の風土も変えてほしい。」

ペイン「医学部の学生の頃から、臨床試験や治験の重要性をしっかりと教えて欲しい。もちろん、看護師の方や臨床検査技師の方、薬剤師の方もね。」

ホーライ「うちの娘は中学生の授業で治験を習っていた。これからも一般国民、全てに小さい頃から新薬開発の意義を伝えて欲しい。」

ZOO(ズー)「ICRwebというサイトも使えるよ。」
   ↓
http://www.icrweb.jp/icr/

*************************

ICRwebは、臨床研究に関する教育サイトです。

医師、臨床研究コーディネーター、データマネージャーだけでなく、倫理審査委員会委員や、倫理審査委員会事務局スタッフのみなさん、企業の方など臨床研究に携わるすべての人を対象にしています。


*************************


ペイン「CRCの方が日本に誕生して10年が経つ。そろそろシニアCRCの方の教育も考えて欲しい。」

ZOO(ズー)「特に創薬ボランティアのリクルートに関しては訓練して欲しいわね。」

ペイン「一般市民の方に対する啓発、医学生、看護学生、薬学生などに対する教育の効果が出るのはきっと、10年先だから、今すぐに着手して欲しい。」

ZOO(ズー)「あくまでも市民レベル、市民目線での治験のあり方を考えないと・・・・・。」

ペイン「ちなみに、治験届はあるけれど「臨床試験届」って無いよね。これからはこの「臨床試験届」もあって、総合機構が相談するなどしたほうが、日本の臨床試験の向上に繋がると思うな。」





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