アロウ「そうだね。たとえば、今まで治療薬そのものが無かった領域に、世界で初めて治療薬を出す、という場合は、製薬会社にも多大なるメリットを与えると思うよ。」
かりん「たとえば?」
アロウ「ある領域に一番乗りすれば、独占的に利益を確保できる。」
かりん「なるほど。確かに類似薬が出るまでは独占状態が続くわね。」
アロウ「販売ネットワークなどの希少資源を先取りすることもできる。」
かりん「社会的な栄誉も与えられるわよね。」
アロウ「新薬を素早く出すということは、開発期間が短い、という意味でもあるよね。」
かりん「そうね。」
アロウ「開発期間が短い会社は、他社からの攻撃にも素早く反撃できる。」
かりん「それは、つまり2番手が追いかけてきたとき、それに負けない新薬を世の中に提供するまでの時間が短くてすむ、ということね。」
アロウ「そういうこと。それに、開発期間が短くできる会社は、市場・技術予測精度の向上にもつながる。」
かりん「それは、どういうこと?」
アロウ「たとえば、新薬の開発スピードが2年のX社と5年のY社があるとするね。」
かりん「うん。」
アロウ「仮に両社が2011年10月1日に新薬を出すことになったとするね。」
かりん「うんうん。」
アロウ「Y社は新薬開発に5年かかるので発売2年前の2006年10月に新薬開発に着手しなければならない。一方X社は開発期間が2年なので、2009年10月に開発に着手すればいい。」
かりん「そうなるわね。」
アロウ「ここで大きく違うのは、Y社が「5年先」の将来市場を予測して企画を立て、新薬開発を行わなければならないのに対し、X社は「2年先」を予測すればよい、ということだ。」
かりん「なるほど。」
アロウ「企画段階ではより近い将来の市場ニーズを予測すれば済むので、予測が正確になる。」
かりん「それに、技術面でも、新薬開発に採用する技術の選択基準を遅くできるので、より新しい技術を採用できるわね。」
アロウ「そうそう。新薬開発などの創薬分野は市場や技術の変化が激しいので、こうした点は重要な競争優位の源泉になる。」
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