よっきゅん「なかには必要なこともあるけれど、そこはもう不要でしょう、という場合もある。」
ブライアン成田「医療機関が治験を受託するにあたり、治験責任医師、治験分担医師及びCRCがGCP省令の要件を満たしていることを確認するために、治験依頼者からGCP トレーニングの受講を要請されることがある。」
よっきゅん「また同様に、EDC の操作方法等を習得するためにトレーニングの受講を求められることがある。」
ブライアン成田「これらのトレーニングは、ほとんどが治験ごとや治験依頼者ごとに実施され、院外で行われる場合は1 日がかりになることが多く、院内で実施する場合でも数時間を要し、実施医療機関側の負担が大きい。」
よっきゅん「特にEDC は直近に同じシステムを使用した経験があっても再度の研修が課せられることがあり、実施医療機関の担当者の時間を有効に活用しているとはいえない」
ブライアン成田「上記のような目的に応じて実施される会合やトレーニングは、治験依頼者及び実施医療機関双方にとって有効かつ効率的な方法で必要最低限の実施とすべきで、その結果や記録は活用されなければならない。」
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●スタートアップミーティングは治験依頼者及び実施医療機関の双方が最適な方法として選択した場合に開催し、その時期も限定しない。
●治験依頼者は全体説明会を開催する意義があると判断した場合、治験責任医師やCRC 等の負担を極力抑えるように内容を十分考慮するとともに、開催日時や開催場所等に配慮する。
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よっきゅん「SDVの現状と課題は?」
ブライアン成田「原資料の特定やその確認及び整理に多くの時間を費やしている」
よっきゅん「モニターが原資料を閲覧することに慣れていなかったり、同じ原資料を何度も閲覧したり、原資料間のデータの齟齬を必要以上に追及したりするなど、閲覧作業に多くの時間や労力を費やしている現状があり、モニタリングのオーバーワークが問題視されている。」
ブライアン成田「このあたりは治験依頼者のトレーニング不足であったり、ポリシー、スタンスの問題もある。」
よっきゅん「治験依頼者が作成する治験実施計画書や症例報告書の見本において、収集すべきデータが明確に規定されていなかったり、必ずしも治験薬の評価に必要でないデータの収集を必須としていたり、治験依頼者ごとにデータ収集範囲に対する考え方が異なっていたりすることで、治験依頼者及び実施医療機関双方の負担が増大している。」
ブライアン成田「どんな解決策がある?」
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【提言】
@ 治験データの収集過程において、不必要なデータを収集することは治験依頼者と実施医療機関双方の業務量の増大につながる。
さらに、それらがデータの品質にも悪影響を及ぼす可能性があることを理解したうえで、治験依頼者は大前提として治験薬の評価に必要なデータのみを収集することとし、治験実施計画書の作成段階でそれらを考慮する。
A 実施医療機関は、データの発生源である自らが正確かつ完全なデータを収集し、データの品質を管理する体制を整備する。その方策のひとつとして、「ALCOA*」に基づいたデータ収集手順、CRC による業務分担を含めたローカルデータマネージャー(以下「LDM」)の配置・活用を考慮する2)。
*FDA(Food and Drug Administration)が公式化しているガイダンスの中で、データの品質を保証するために重視されている5つの項目(Accurate:正確である、Legible:判読・理解できる、Contemporaneous:同時である、Original:原本である、Attributable:帰属(責任)の所在が明確である)のこと。
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よっきゅん「カルテの内容を1字1句、書き写すのがSDVだと思っている人(治験依頼者・モニター)もいる。」
ブライアン成田「原資料と症例報告書中のデータ間に何らかの矛盾が生じる場合は、その理由を説明する記録を実施医療機関側で作成する。」
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【サンプリングSDVの実施】
●治験依頼者は、原資料作成から症例報告書作成の過程において実施医療機関での品質管理が実施され、データの信頼性が確保できると判断した場合には、業務効率化の方策として、サンプリングSDV*(Sampling SDV)の実施を考慮する。
*予め、治験の目的、デザイン等を考慮して統計学的に裏付けられた方法に従って抽出(サンプリング)したデータをSDV対象とし、その結果から試験全体の信頼性(正確性、完全性)を確認する方法
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よっきゅん「現在の我が国における治験環境のままでは、日本は世界から排除される可能性さえあると言っても過言ではない。」
ブライアン成田「万一そのような状況に陥った場合の最大の被害者は、他国で使用できる医薬品の恩恵を受けられない多くの患者であり、このような事態は何としても避けなければならない。」
よっきゅん「もう、待ってはいられないわよ!!絶対に!!」
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