2007年03月24日

あなたも治験のプロジェクトリーダー(その4):問題は重なる時には重なるの法則

■今週のテーマは「あなたも治験のプロジェクトリーダー(その4):問題は重なる時には重なるの法則」です。


(先週からの続きです。)


パピヨン750「そうこうしているうちに、ある施設のIRBでこの治験が却下されました。」

ぼつ「あれ〜〜! なんでもありの研修なんですね。」

のん「ええ、それが研修のいいところです。」

薬師寺「ついで、と言っては何ですが、治験薬の副作用らしいショック症状で創薬ボランティアが入院したという情報が、今、ファックスで入りました。」

ヨコタテ「さらに、追い討ちをかけるように、ある施設で創薬ボランティアに出す治験薬を間違えて出した、という電話がありました。」

織姫「やれやれだわ。問題が起こる時って、本当に重なるのよね。」(問題は重なる時には重なるの法則 by ホーライ)

みたらし大福「どうする?」

なつき「まず、ここまでの問題を整理してみましょう。」





1)ある施設のIRBでこの治験が却下された

2)治験薬の副作用らしいショック症状で創薬ボランティアが入院した

3)ある施設で創薬ボランティアに出す治験薬を間違えて出した

4)治験薬服用後の観察期間中に、ある創薬ボランティアで乳がんが発見された

5)有力な治験責任医師が当社のモニターのせいで、この治験から降りると言い出した






やまちゃん「あら?いつのまにか問題が増えているわよ。」(はい、研修ですから。by ホーライ)

ゆみぴー「じゃ、いつものように、これらの問題にプライオリティ(優先順位)をつけていきましょう。」

やなか爺「緊急度で言うと・・・・まず、なんと言っても、SAE(Serious Adverse Event:重篤な有害事象)の2)の創薬ボランティアの状況把握だ。」

翡翠「そうね。これはただちに、今すぐ、電話で状況を聞き、可能な限り早く・・・できたら今日中に施設を訪問して、医師から情報を集めましょう。」

(ICHガイドライン『治験中に得られる安全性情報の取り扱いについて』 参照)



ひで「次は、3)の治験薬を間違えて出した、ということだね。どう間違えたんだろう?」

くも「134組の1番の患者さんに、134組の2番の治験薬を出した、ということらしい。」

ピクミン「となると、治験薬の『HORAI-22noTANE』と対照薬の『XXX』が逆に出されたということだ。」

ドンドン「うん。どっちがどちらの薬かまだ分からないけれどね。」

秘密研究員「まず、施設に電話して、その薬を創薬ボランティアが服用したかどうかを直ちに確認してもらいましょう。」

メタルナイト「もし、服用していたら、134組の1番の創薬ボランティアは、ここで治験を中止だ。」

よっきゅん「その方に、有害事象が発生していないかの確認もね。」

ブライアン成田「データの取り扱いは?」

ふじおねえ「それは、プロトコルと解析計画書に記載されているとおり、FAS(Full Analysis Set)には入れるけれど、当然、PPSからは除外だわ」。」

(ICHガイドライン『臨床試験のための統計的原』参照)



震電「134組の2番の創薬ボランティアはどうなる?治験薬が不足するけれど……。」

kaizer11「134組の2番の創薬ボランティアが既に登録されているなら、服用前に中止。登録されていないなら、次の創薬ボランティア候補の方には134組の3番に入ってもらおう。」

プリンセス・オーロラ「この経緯もしっかりと記録しておかないと。あとで絶対に詳しく調べられるわ。」



しまうま「では、次に解決する問題はどれ?」

デーさん「4)の乳がんが発見された創薬ボランティアの情報把握だ。」

ルーシー「そうね。このプロトコルによれば治験薬服用後の観察期間に発現したSAEも、当然、SAE扱い、となっているわ。」

ルパン三世「乳がんの発見はSAEでいいんだね?」

こさめ「それは治験責任医師の判断によるけれど、治験依頼者として当社は「悪性腫瘍の発見」はSAEとして取り扱うことがSOPで決められているわ。」

スナフキン「ただ、発見された乳がんの大きさなどの情報から、治験薬を服用前から有ったと推測されるいうことなら、合併症だ。」

くりこ「そうなると、除外基準に抵触する、ということだわね。」

大黒「そうなるな。いずれにしても、まずは、情報収集に努めよう。」



社長秘書「残りの2つだけど、やっぱり、IRBで却下されたことかしら。」

るみ子の酒「そうね。何故、却下されのかしら?」

オチケン「理由は・・・・『本治験薬の開発意義が見出されない』ということらしい。」

十条「なお、『本結果に対する異議申し立てがある場合は1ヶ月以内にIRB事務局に申し出ること』とのことです。」

JOYママ「何故、開発意義が見出されないと主張するのか、もう少し詳細な理由が知りたいわ。」

ぷか「そうね。それと、この施設の治験責任医師の意見も聞きたい。」

カッコ亀井「じゃ、その2つの情報を集めましょう。」

MT「で、どうするの?」

ぽちりん「この施設ではどれ位の創薬ボランティアの登録が見込まれるの?」

BECK「事前調査では12例前後らしい。」

ハレ〜「これまた、微妙な……。」

ヨネヤマ「ここのIRBが過去にも似たケースで申請却下したことがあるか、という情報も欲しいね。」

ちゃちゃ「それらの情報を集めて、IRBに再申請して承認される確率が80%以上なら、再申請、ということでいこう。」



黒丸「はい、では、最後の問題と。これはどうなの?」

フロリス「まず、どういう事情で治験責任医師がこの治験から降りると言い出したのか、あるいは怒り出したのか、ということよね。」

さら「それと、さっきの例と同じだけど、何例の創薬ボランティアの登録が予測されるのか。」

かずさ2号「この医師の学会等での影響力もね。」

みっちーK「この問題がプライオリティとしては一番、低いとは言え、問題がこじれる前に、早急にやりましょう。」

ピース「うん。こういう問題を解決するのが上手い人が社内にいると、強い戦力になる。」

フクちゃん「デーモン部長だ!」



*この物語はフィクションです。




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2007年03月10日

「あなたも治験のプロジェクトリーダー(その2):不測の事態に対応する」

先週の続きで「治験のプロジェクト管理を模擬研修している」ところです。


こさめ「治験の進捗で関連する部署としてはまず薬事部かしら。」

スナフキン「治験届の提出をお願いしているからね(当社の場合)。」

くりこ「監査も治験届を出したあとにやりたいと言っていたわ(当社の場合。以下、同じ)。」

大黒「治験薬の準備も早くから製造部門と協力してやらないとダメだ。」

社長秘書「今回はダブルブラインドでやるから、治験薬の割付けの予定もいれておかないとね。」


るみ子の酒「はい、ここで、製造部門から緊急の連絡が入ったという想定です。」

オチケン「え〜〜!?そんなのもあり?」

十条「急に治験薬の製造が2ヶ月遅れることが分かった。」

JOYママ「一体、どうしたの?」

ぷか「先日の水害で原料の調達が間に合わない・・・・・という想定らしいわ。」(実際に、僕は似たような経験をした。 by ホーライ)


カッコ亀井「どうする?ここは思案のしどころだ。」

MT「そのまま予定を2ヶ月遅れにするのでは芸が無い、と言うか、能が無いわね。」

ぽちりん「たとえ2ヶ月遅れで始まったとしても、終わりは予定どおりにする必要があるのよ。」

BECK「じゃ、どこで調節できるかを検討してみようか。」



ハレ〜「まず、施設の選定、契約は予定通りに勧める、のはいいよね。」

ヨネヤマ「うん、契約してから、しばらく治験薬が来ないことは、関係者に伝えておこう。」

ちゃちゃ「当初の予定では、治験薬の交付は2007年の8月で、FPI(First Patient In:最初の創薬ボランティアが治験に参加した日)が9月。」

黒丸「その8月が10月になってしまうわけだ。」

フロリス「そうなると、FPIは11月?」

さら「そんなことはないわ。既に施設との契約は済んでいるから、治験薬の交付までの間にCRCや治験責任医師・治験分担医師の皆さんに、予め創薬ボランティアになりそうな患者さんを選んでおいてもらいましょうよ。」

かずさ2号「そうだ。そすれば治験薬の交付、即、創薬ボランティアの参加なら、10月にFPIが可能だ。」



みっちーK「10月からなら、まず、ここで1ヶ月の短縮ね。」

ピース「あと1ヶ月の短縮は可能かしら?」

フクちゃん「単純計算でいくと、400例の登録を6ヶ月ということよ。」

てぃん「1ヶ月に70人弱。70人として、40施設だから、1施設、1ヶ月に2人だわ。」

澤田「また、別のアクシデントが起こってもいいように、考えておくと、1ヶ月に3人を目標にするといいよ。」

かき氷「どう?できそう?」



のの「はい、では、ここで競合品の開発状況です。」

トモチカ「あら、研修中に色んな情報が時間を追って出てくるあたり、とてもリアルな想定でいいわね。」


ken2「で、競合品は、今、いくつあるの?」

吉野川 みなみ「3品目ある、という想定よ。」

さりさり「そのうち、最もライバルになりそうなのがXX会社のWWWという治験薬。」

ZOO(ズー) 「僕たちよりも3ヶ月先行して、治験を開始している。」

ペイン「だから、僕たちがFPIを予定している頃には、そのWWWの治験が真っ盛りで、こちらに創薬ボランティアが参加してくれる(と言うか、正確に言うと、治験責任医師や治験分担医師がこちらを紹介してくれる)か、危うい状況、というわけね。」

アブラハム「どうする?」

薬作り職人「WWWと『HORAI-22noTANE』の徹底的な区別化をして、それを治験責任医師や治験分担医師にアピールしましょう。」

おきょう「そのために必要なのは、『HORAI-22noTANE』をどれだけモニターが愛せるか、ということよね。」

へい太郎「そうだね。自分が信じていない治験薬を他人にアピールなんてできない。」

ゆ「絶対に、この治験薬を世の中に出すんだ、という気迫がないと、治験責任医師や治験分担医師に熱意が伝わらないからね。」




*みなさん、自分が担当している治験薬を愛していますか? 好きですか? いい治験薬だと思っていますか?

*あるいは、自分の今の仕事を愛してやまないですか?

*胸に手を当てて考えてみましょう。




あんころ「その上で、他社の競合する治験薬との区別化をはかりましょう。」

Binobin「区別化するためには、競合品のデータが必要だけど?」

ゆうこ「それは、治験責任医師や治験分担医師、CRCからの評判でもいいと思うわ。」

ムーミン「じゃ、その情報収集のタイミングも予定に加えておきましょう。」

アロウ「モニターって、いろんなことができないといけないんだね。」(はい、そうなんです。 by ホーライ)



*この物語はフィクションです。








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2007年03月04日

あなたも治験のプロジェクトリーダー

ヨ−イチ「今日は、みなさんがプロジェクトリーダーになって、模擬的に治験の推進計画を立ててもらう研修です。」

まひな「模擬的にって言っても、そもそもこの会社がバーチャルだけどね。」(そのとおり! by ホーライ)


トトロ「今回の模擬プロジェクトは片頭痛が対象となります。」

ゆーり「治験薬はトリプタン系で点鼻液、治験薬コード番号『HORAI-22noTANE』です。これまでの薬剤よりも、即効性があり、悪心、嘔吐、倦怠感、めまい、眠気などの副作用が軽減されているという設定です。」(この物語はフィクションです。)

みかん「みなさんに検討してもらうのは、フェーズ3で対照薬は市販されているXXX。ダブルブラインド試験よ。」

港野陽子「その他の詳細は別紙(下記)を参照してください。」

デーモン部長「おいおい、ちょっと聞きたいんだけどさ、『マイクロドーズ』って何?」

キャサリン立川「それはあとでね。」



『HORAI-22noTANE』の治験デザイン

・ダブルブラインドランダム試験

・Phase-III

・目標症例数:治験薬で200例。対照薬で200例。合計400例

・施設数:40施設

・治験期間:2007年9月〜2008年3月

・申請予定:2008年9月

・モニター数:8人




パピヨン750「まず、おおまかな計画を立てましょう。」

ぼつ「治験の開始から逆算してみよう。最初の創薬ボランティアが治験に登録されるFPI(First Patient In)が9月ということは施設との契約は8月、IRBは少なくとも7月に審議結果が出る。」

のん「となると、IRBへの申請が6月。」

薬師寺「うむ。治験責任医師とのプロトコルの合意が5月。」

ヨコタテ「施設の調査、選定は4月までには終了だね。」

織姫「すると、調査の開始は3月からだから、もう速攻で始めないといけなわいね。」

みたらし大福「モニターが8人だから、ひとりあたり5施設か。まぁまぁの数だ。」

なつき「そうね、多分、これでいけるわね。」

やまちゃん「ちなみに治験届は契約の2週間前に提出だから、まぁ、7月中に提出しておけばいいわね。」

デーモン部長「あのさ、ちょっと聞きたいんだけどさ、『マイクロドーズ』って何?」

キャサリン立川「それはあとでね。」




ゆみぴー「じゃ、今度は終わりのほうを決めていきましょう。」

やなか爺「2008年の3月に最後の創薬ボランティアの最終検査が終了するLPO(Last Patient Out)で、その6ヵ月後(2008年9月)には申請というのは、ちょっと厳しいかも。」

翡翠「ここは、きっちりと計画を練っておきましょう。」

ひで「9月に申請ということは6月、遅くとも7月にはフェーズIIIの治験の総括報告書(FSR)が終了しているってこと。」


くも「6月にFSRを書き終えるためには・・・解析報告書が5月。」

ピクミン「キーオープンが4月、データ固定が3月。」

ドンドン「え!? LPO、即、データ固定?!」

秘密研究員「それはいくらなんでも無理だ。」



メタルナイト「じゃ、今度はLPOから考えていきましょう。」

よっきゅん「LPOが3月・・・SDVの終了は4月として、症例検討会を5月、データ固定を6月。解析をやってFSRが7月にはできあがる。」

ブライアン成田「ざっくりとでは、こんなものかな。」



ふじおねえ「もう少し具体的な日数は、あとでつめるということで、次に症例の登録予定を考えてみましょう。」

震電「400例を7ヶ月だから、1ヶ月平均で・・・・・・・57例。って、大変じゃない? あ、施設数は40だから1施設あたりに直すと2例弱か。いけるかな。」

kaizer11「まぁ、そうそう計算通りにいかないのが世の常だから、これはあとで詳細に検討しましょう。」

プリンセス・オーロラ「じゃ、ここまでのことを以下にまとめたので、見ておいて。」

デーモン部長「え〜〜〜っと、ちょっと聞きたいんだけどさ、『マイクロドーズ』って何?」

キャサリン立川「それはあとでね。」




施設の調査・選定の開始・・・2007年3月

施設の調査・選定の終了・・・2007年4月

施設IRBへの申請・・・・・2007年6月

治験届・・・・・・・・・・・2007年7月

施設との契約・・・・・・・・2007年8月

FPI・・・・・・・・・・・2007年9月

登録ペース・・・・・・・・・1.4人/月/施設

LPO・・・・・・・・・・・2008年3月

SDV終了・・・・・・・・・2008年4月

症例検討会・・・・・・・・・2008年5月

データ固定・・・・・・・・・2008年6月

FSR作成終了・・・・・・・2008年7月

申請・・・・・・・・・・・・2008年9月





しまうま「次回は、さらに詳細を検討しましょう。特に他部門との関係を含めてね。」

デーさん「そりゃそうだ。臨床開発部門だけでは、治験は進まない。」


ルーシー「ところで、最近、耳にする『マイクロドーズ』って何?」

ルパン三世「それはね、これを読むといいよ。」
    ↓
マイクロドーズ臨床試験理論と実戦




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